延岡市で集団接種、２３日にも実施

４３７人が３回目接種を完了

◆打てて良かった

　感染拡大が続くオミクロン株への緊急対策として延岡市が計画した新型コロナワクチンの集団接種が１２日、市役所内の市保健センターで行われた。

　県内では初めて、接種券が手元に届いていない一般市民も対象としたが、事前に予約した４３７人が滞りなく追加接種（３回目接種）を完了。うち、接種券なしの接種は約８割の３５４人（申し込み時点）を占め、接種率向上につながる成果となった。

　オミクロン株に置き換わった感染の第６波が市内で急拡大した場合に備え、市医師会や市郡薬剤師会と連携して準備。すでに高齢者には順次接種券が発送され、身近な医療機関などでの個別接種が進められているが、さらに加速させようと市独自に集団実施できる態勢を整えた。

　対象は２回目の接種から６カ月が経過した１８歳以上の市民。ワクチンは市が１、２回目の接種で使用したファイザーと異なるモデルナ製だったため、市は当初、交互接種への抵抗から希望者は限られると予想していたが、予約開始初日の午前中に募集を打ち切るほどの申し込みが殺到した。

　この日は受け付け開始の午後２時を待たず大勢が来場し、市は時間を前倒しして接種を開始。問診を済ませた来場者は、３区画のブースに分かれて次々と医師によるワクチン注射を受けた。

　このうち、別府町から夫婦で訪れていた木下秀子さん（８２）は、「接種券は届きましたが年配で移動が難しく、娘の仕事が休みで送迎してもらえるので集団接種を申し込みました。早く打ちたくて待ち遠しいほどでした。こうした取り組みで接種が進むといいです」と期待していた。

　また、長浜町の会社員花畑充洋さん（４０）は、「基礎疾患があるので、感染してさらに医療従事者の方にご迷惑を掛けたくないと思い、できるだけ早く追加接種をすることにしました。これで安心とは全然思わないので今後も感染防止を徹底します」。

　海外行きを控えて接種に訪れていた飲食業の５０代男性は、「これだけ感染が広がっていて、自分も十分感染する可能性があることを前提に接種しました」と話し、交互接種に対しては「何とも思わないし、それで接種しないのは理解できません」と会場を後にしていた。

　市はまだ多数の接種希望者がいることを踏まえ、２３日に規模を拡大した第２弾の集団接種を出北の市医師会病院で実施。１２日は接種開始が午後からだったが２３日は午前９時から終日行うという。

　予約受け付けはけさ開始したが、今回も初日でいっぱいになるほどの申し込み状況（午前１０時現在）という。市健康増進課は「通常の個別接種はまだ予約枠にかなり空きがあるため、接種券が届いた方は医療機関などでの接種もお考えください」と呼び掛けている。