こばと保育園（延岡）を優秀園に選出

本紙掲載日：2022-02-19

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優秀園を受賞したこばと保育園（提供写真）

２０２１年度ソニー幼児教育支援プログラム

　ソニー教育財団（盛田昌夫会長）の２０２１年度ソニー幼児教育支援プログラムで、社会福祉法人愛育福祉会幼保連携型認定こども園「こばと保育園」（延岡市大武町、髙島マサヨ園長）が優秀園に選ばれた。

　同プログラムは身の回りの出来事に驚き、感動し、想像する心などを「科学する心」と捉え、「科学する心を育てる～豊かな感性と創造性の芽生えを育む～」をテーマに、子どもたちの姿や考察に基づく今後の方向性に関する論文を募集。今年度は全国の乳幼児施設１５５園から応募があった。最優秀園２園、優秀園１１園、優良園１５園などが選ばれた。同園は１１年度から毎年応募しており、優秀園を受けるのは１６年度に続いて２回目。

　今回は「『言語化できる力』は『科学する心の育ち』と大きく関係しているのではないか」と言葉に焦点を当て、２０年９月～２１年８月の子どもたちの遊びの中から見えてきた姿を研究、執筆。昨年度の論文でも書いた、年長児の「種も命なんだ」という発言、種から育てたヒマワリが刈り取られる瞬間に「お疲れさま」と声を掛けた姿が、ずっと印象に残っていたといい、言語化との関係性について２～５歳児のクラス別に子どもの発言と保育者の行動、考察などを詳細にまとめた。

　園での気付きや経験を保護者に報告する子どもの姿も、連絡帳のやり取りから記すなどし、審査員から「丁寧に見取っている」「家族との丁寧な連携を重ねている」と評価された。

　また、これまでの研究で「科学する心」を探究心、想像力、忍耐力、応用力の四つの軸で捉えていたが、今回は言語化を縦軸、主体性を横軸にした４象限のベクトル図に表し、発達を分析しており、「オリジナル性が高く大変示唆に富む内容」と高い評価を受けた。

　論文にまとめる作業は時間も労力もかかるが、「日々を見詰めることができる」と安藤保子副園長。子どもの発言や行動、気付きをメモで残し、１年間の振り返りとして安藤副園長と秋本智子保育士がまとめた。

◆「保育の方向間違っていなかった」

　「評価してもらえたことがうれしい。保育の方向が間違っていなかったんだと思った。子どもに掛ける言葉が大事だという振り返りになった」と安藤副園長。保育者自身も、「次はどんな行動をするんだろう」とワクワクしながら子どもたちの動きを見ているといい、「こんなにいい仕事をさせてもらえて幸せ」と髙島園長。保育士不足が社会問題になる中で、「乳幼児の世界で働いている私たちのこと、こういう目線で子どもたちに関わっているということを知ってほしい。保育士として働いてみたいという人もいっぱい増えれば」と期待した。