空き店舗活用プランを発表

延岡商流通経済科２、３年生

◆山下新天街活性化９案

　空き店舗が目立つ延岡市山下町の山下新天街ににぎわいをつくろうと、県立延岡商業高校（大迫良三校長）流通経済科の２、３年生３５人が考えたビジネスプランの公開プレゼンテーションがこのほど、同市駅前複合施設エンクロスであった。現地視察調査の結果を踏まえ、高校生の視点で考えた９案が発表された。

　同校は、生徒が地域活性化のためのアイデアや実社会で求められる「自ら考え、行動する力」を養うことを目的に、日本政策金融公庫主催の「高校生ビジネスプラングランプリ」に毎年参加。今年度は、同市が連動する形で「空き店舗を活用した高校生ビジネスプラン支援事業」を実施して支援。公開プレゼンテーションは専門家らから助言を受けることで、延岡での起業につながることを期待して事業の一環で開催した。

　同庫熊本創業支援センターの吉元康喬所長、同校出身で松竹芸能所属の酒井瞳さん、同市商工観光部の日高孝則部長の３人が講評者を務めた。

　生徒たちは昨年６月に山下新天街内を歩き、まちづくり延岡の社員から話を聞き、利用者の状況や店の人から話を聞くなどして実態を調査。吉元さんによる５回の出張授業で助言を受けながら、週２時間の授業時間で３、４人１グループで「商店街に人を集めるには」という視点でプランを練り、昨年９月に応募した。

　プレゼンテーションでは−、ダイエットや健康を目的とした女性専用ジムを造る▽写真シール「プリクラ」機を設置して周辺店舗でグッズや衣装を借りれる仕組みをつくる▽中高生に人気の韓国の商品を販売する−−など、通学時だけでなく、商店街に来てもらえるようにと練り上げた案を発表。必要経費や予想売り上げなどの具体的な数字を示すグループもあった。

　講評者からは「目玉の商品は？」「若者だけでなく幅広い年齢をターゲットにしてみては？」「お客さんに来てもらう仕掛けは？」など質問や助言が寄せられた。

　食物アレルギーの友人を見て「食べることで笑顔を届けたい」と、アレルギーに対応した料理教室の開催を提案した本間怜奈さん（３年）は「緊張したけど、考えたプランが発表できて良かった。将来、山下新天街で大人だけでなく、中高生も歩いている姿を見てみたい」と話した。

　同校は昨年５月、同市、同庫、まちづくり延岡と「起業支援に関する連携協定」を結んでいる。鳥越浩二教諭は「市の協力できょうのプランの一つでも実現し、何年後かに生徒たちが戻って来たとき、『私たちが考えたプランだ』と話題になったり、実際に働いてくれたりするとうれしい」と期待した。