子育て環境向上や地域活性化…

延岡星雲高２年生が課題研究発表会

　延岡市の県立延岡星雲高校（西依功校長、５３６人）は２月２４日、２年生が自ら定めたテーマについて、一年間の研究成果を披露する「課題研究発表会」を開いた。同市キャリア教育支援センター（水永正憲センター長）の協力で毎年行う探究型学習の一環で、課題解決能力を養い、相互評価を通じて視野を広げることなどが狙い。普通科、フロンティア科の２２１人が、地域活性化や快適な社会に向けたアイデアを発表した。

　例年は１、２年生を体育館に集めて行うが、感染症対策のためオンラインで各教室をつなぎ実施。このうちフロンティア科の４０人は「地域」「教育」「観光」「医療福祉」「社会」に関する１１テーマについてグループ発表に臨んだ。

　三宅優理菜さん（１７）と前田紗李花さん（同）は２人で、同市の子育てに関する制度内容と子育てしやすさの相対性を研究した。

　市、子育て支援センターおやこの森（山月町）の協力で自作のアンケートを配り、延岡の育児環境に対する満足度を項目別にグラフ化。遊び場や施設の整備状況に比べ、交通の便や情報の得やすさに対する満足度が低いと分かった。

　市へ行ったインタビュー結果も踏まえ、自分たちにできる取り組みとして情報を一括発信しようと計画。市内各所で行われるイベント情報についてまとめたインスタグラム（写真共有アプリ）のアカウントを既に開設し、発信を続ける考えなどを示した。

　メンター（助言者）として出席した旭化成人事部の楠原一輝さん（２４）は「全班良くまとまっていたと思う。仮説を立てて考える力は社会で求められる重要な能力なので、今回の経験を大事にしてほしい」と総括した。

　三宅・前田班は、１５日にオンラインで開かれる県高等学校課題研究発表会へ出場する。

　三宅さんは「みんなの発表を聞き改善点が見えた。もっと分かりやすく伝えられるよう内容を洗練させたい」。前田さんは「資料の並びにミスがあったのでしっかり修正し、たくさん練習して臨みたい」と県発表会への抱負を語った。