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空き家を利活用−延岡市

本紙掲載日:2022-03-15
3面

市民参加で再生へ−新プロジェクト

◆民間会社に業務委託−松田丈志さんも参加

 延岡市が業務委託しているベンチャー企業「空き家活用株式会社」(本社・東京、和田貴充社長)は14日、市内空き店舗の活用策を公募し、市民参加で再生させる体験プロジェクトを発表した。

 「空き家で創業を!延岡市空き家利活用モデル・新プロジェクト」と銘打った同事業では、山下新天街アーケード内の老舗化粧品店跡を活用。創業希望者とその活用策を4月から公募し、選ばれたアイデアに沿って6月初旬から市民参加のイベント形式で解体・改修などを体験してもらうという。

 プロジェクトはこの日、延岡駅西口街区ビル内に正式オープンした市コワーキングスペースのキックオフイベントで発表。和田社長は「地域と一緒に考えながら作業体験することで、空き家が生まれ変わる〃可能性〃を知り、中高生にも地域課題の解決について考えるきっかけになれば」と狙いを語った。

 同イベントでは、ノンフィクション作家の小松成美さんが進行役を務め、延岡出身で競泳五輪メダリストの松田丈志さんや、読谷山洋司市長を交えたトーク形式で空き家活用について意見交換した。

 同プロジェクトの選考やPR役も担う松田さんは、「帰ってくるたびに近所の家が減っている。今ある資産を正しく使うことが大事。工夫して空き家に価値を付けられたらいい」と、多くの応募を期待した。

 市建築指導課などによると、市内に空き家が1700棟以上まで増えている一方、リフォームして住み直すなど、利活用に興味・関心がある人も多いという。市は行政だけは困難な利活用についてベンチャー企業と連携。将来的には物件情報などをまとめた空き家バンクを立ち上げ、利活用希望者と所有者との賃貸仲介を推進していきたいという。

 なお、今回の空き家利活用プロジェクトは4月1日からの募集開始に合わせて、詳細な情報を発表予定。読谷山市長は「空き家の活用、会社立ち上げを応援する仕組みをつくり、挑戦を諦めなくてもいい環境を整えたい」と力を込めた。

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