菓ｔｅ―ｒｉ（椎葉）最優秀賞

みやざきフードアワード２０２２

◆フルーツバター３種、応募９３点から−宮崎市で最終審査会

　県産食材を活用した新商品の品評会「ＭＩＹＡＺＡＫＩＦＯＯＤＡＷＡＲＤ（みやざきフードアワード）２０２２」の最終審査会は１４日、宮崎市のホテルであり、最優秀賞に菓ｔｅ―ｒｉ（椎葉村、椎葉昌史代表）の「宮崎フルーツバター３種詰め合わせ」が選ばれた。椎葉代表は、昨年の「九州山蕎麦（そば）世界農業遺産５種」に続く２年連続の最優秀賞受賞となった。

　県産の農畜水産物を活用し、今年度新たに開発・改良された商品が対象で、最終審査会には応募総数９３商品から１次審査を通過した２９商品が出品された。

　審査は県内外の食品、観光関連企業のバイヤーなどが行い、最優秀賞１点、県北関係の３点を含む審査員賞１１点が選ばれた。

　同アワードは県の主催で３回目。県北関係の最優秀賞受賞は、第１回から３年連続となった。

　審査員賞に選ばれた商品は次の通り。

アオシマクラフトコーラ（宮崎市、ｃｏｆｆｅｅ＆ｌｕｎｃｈｍｉｓａｋｉ）レンジでふくれるふくれ菓子宮崎産抹茶ひなた（都城市、まるはちふくれ菓子店）美郷栗カスタネット（美郷町、ＯｔｔＯＯｔｔＯ）かつお節みたいな極薄干しシイタケ「なば節」（美郷町、ＨＵＴＴＥ）宮崎レモンケーキ（高千穂町、そら彩）黒色な黒胡麻たれ（都城市、持永醸造）鶏炭火焼きせんべい（宮崎市、一ツ葉フーズ）天然ハーブで育った牛の肉パテ（宮崎市、オカザキ食品）吾輩は豚である。骨はもうない。（高鍋町、べにはな）霧島山麓５種のきのこ炊き込みご飯の素（小林市、玉光園）宮崎県産メヒカリのソース（宮崎市、ふらんす食堂Ｂｉｓｔｒｏマルハチ）


◆コロナ禍、女性と生産者つなぐ−椎葉さん、コンセプトや味、高評価

　河野知事からトロフィーとともに、「大好きでよく食べている」という賛辞を受け取った菓ｔｅ―ｒｉ代表の椎葉昌史さん（３９）。「山の中の小さな店でも大きな賞を取れる。地域の子どもたちに伝えられたら」とはにかんだ。

　２０１６年、家業のそば店の社内事業として菓子製造をスタート。バターサンドなどの人気商品を開発し、ネット通販などで販路を拡大。県産食材にこだわった商品で県内外の品評会で受賞を重ね、１月には法人化した。

　受賞商品の「宮崎フルーツバター３種詰め合わせ」は、人気のバターサンドのクリームを販売してほしいという声と、コロナ禍がきっかけ。巣ごもりで女性、特に母親世代がストレスをため込み、外食産業も落ち込みで、第１次産業の生産者はしわ寄せを受ける。

　そうした中、県産の完熟マンゴー、日向夏、イチゴを活用したフルーツバターを、自宅のティータイムで楽しんでほしいと開発。昨年５月から、クラウドファンディングでの販売を始めた。

　県産業政策課によると、審査員からはコンセプトや味が高く評価されたという。

　３種詰め合わせは同店のオンラインショップで２９８０円で販売している。「今後も宮崎の食材にこだわったお菓子を作っていきたい」と話していた。