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初の合同消防訓練−JR延岡駅とエンクロス

本紙掲載日:2022-03-25
3面
駅事務所の非常口を使いホームからの避難を訓練する参加者
簡易担架で負傷者役を搬送するスタッフ
延岡駅のコンビニエンスストアで初期消火を訓練するエンクロススタッフ
水消火器を使った消火訓練もあった

ホームなどからの避難誘導、応急処置も

 JR九州延岡駅(有村哲治駅長)と駅前複合施設エンクロス(後藤真館長)は10日、初めて合同での消防訓練を実施し、互いに万一の際の連携を確認した。

 延岡駅とエンクロスは一体型の施設で、訓練では改札口近くのコンビニエンスストアにある揚げ物機から出火したと想定。訓練を知らせる館内放送とともに非常ベルが作動すると、駅のホームや施設内の店舗では駅員とスタッフが、利用客役の人たちに声を掛けて避難誘導した。

 このうち、改札口は火元に近いため、駅ホームからは構内事務所内の非常通路に誘導。エンクロス内では利用客の1人が転倒して動けなくなったため、スタッフ3人がシート型の簡易担架で搬送した。

 訓練には宮崎市のJR九州宮崎総合鉄道事業部と、近隣商店街の山下新天街からも含め計約25人が参加。避難集合したエンクロス内のキッズガーデンでは、市消防本部の指導で水消火器を使った消火訓練にも取り組んだほか、自動体外式除細動器(AED)による心肺蘇生法などの応急処置も学んだ。

 延岡駅、エンクロスとも不特定多数の人が利用する防火対象物で、それぞれに年間を通した定期訓練を継続。初の合同訓練を振り返り、後藤館長は「どういうふうに連携すべきかがよく分かり、本当にいい訓練になった。いざという時はパニックになると思うので、ほかの災害想定でも訓練できれば」と期待を込めた。

 訓練を見守った市消防本部予防課の佐藤三郎課長補佐は、「初めて訪れる方は土地勘がないので、避難誘導が重要になる。誰かがリーダーとなって役割分担し、初期活動に当たってもらうことで、公設消防も消火活動に専念できる。訓練を重ね、県内外から見えられる方々の安全・安心につなげてほしい」と話している。

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