神楽サポーター－４企業・団体を認定

本紙掲載日：2022-03-29

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神楽サポーター認定証を受ける栄産業の尾川社長（２５日、県庁）

継承活動に貢献・県北から栄産業－椎葉

　県は２５日、神楽の継承活動を支援する「みやざきの神楽サポーター」に県内４企業・団体を認定した。県北からは土木業などを営む栄産業（椎葉村、尾川亀次社長）が受けた。同サポーターの認定は、今回を含め計１２企業・団体となった。

　同サポーター制度は、本県が２００を超える数の神楽が継承される全国でも有数の神楽の伝承地の一方で、少子高齢化や人口減少、長引くコロナ禍などで次代継承への影響が懸念されるため、多様な主体で神楽を支える仕組みとして昨年度に創設した。

　栄産業は、従業員１０人のうち８人が尾前神楽などの椎葉神楽の舞い手で、神楽の練習や公演、子ども神楽の指導を優先した休暇取得や従業員の時短勤務を奨励し、神楽の継承活動に貢献。椎葉神楽まつりなどへの経済面の支援も継続している。

　そのほかの認定企業・団体は、かぐらの里（西都市、濵砂修司社長）、県バク転協会（宮崎市、竹田成道会長）、日本神社ヨガ協会（宮崎市、横山香澄）。認定証交付式は県庁であり、栄産業を含む２団体の代表が出席し、河野知事から認定証を受けた。

　河野知事は「人口減少や高齢化の中で宝である神楽の保存・継承は地域の課題。力を結集して宝を将来につなげていく態勢を整えたい」。尾川社長（７１）は「私自身も神楽を舞って五十数年。その中での取り組みなので認定はありがたい。これを機に神楽奉納の本番日は有休にするなどして応援しようと考えている」と話していた。

◆神楽サポーターを随時募集－県

　県は、県内の神楽伝承を支援する「みやざきの神楽サポーター」となる企業、団体、大学を募集している。人口減少などに加え、コロナ禍で苦しむ地域の神楽を支援する団体を県が認定。その活動を広報する。

　企業などが行う支援は、①神楽の奉納、練習のため、従業員が出身地に帰る休暇取得を奨励し、社員に周知する②県の「中山間盛り上げ隊」に団体登録し、集落などの要請に応じて従業員などが夜神楽の準備や振る舞いなどを手伝う③神楽に必要な道具や物品などを保存会に寄付する④神楽の情報をホームページなどで積極的に発信する――など。

　これらのうち、原則２件以上の支援を実施することを認定要件としているが、コロナ禍のため当分の間は１件実施し、認定後にほかの１件を実施する意向で、２件以上を継続して実施すると認められれば認定される。また、県外企業が企業版ふるさと納税などで、神楽の継承を目的とする県の事業経費として、総額１００万円以上を寄付した場合も認定される。

募集期間は随時。問い合わせは県みやざき文化振興課（電話０９８５・２６・７０９９）。