好評でした西の丸会場

門川町のワクチン３回目−椅子は回転し楽に接種

◆台のタイマー、呼び出しボタンも利用

　門川町は２９日、新型コロナワクチン３回目の集団接種を同町中須のパチンコ店・西の丸門川店で実施した。パチンコ店を利用した接種は全国的に珍しく、町民約４１０人が予約順に来場。遊技台の椅子に着席し、スムーズに接種を済ませた。

　同町での３回目の集団接種は２月から始まっており、同店を運営する西の丸（本社・同町中須、西谷淳社長）が、この日は休業し、遊技台の並ぶホールを接種会場として提供した。以前、ホールを利用した職域接種を検討した経緯などから、県遊技業協同組合の了解を得て、地域貢献の一環として同町に提供を申し出たという。

　予約していた接種時間に合わせ、続々と町民が来場。クラシック音楽が流れる中、来場者は遊技台の椅子に１台おきに着席し、医師ら医療スタッフが通路を移動しながら順番に予診と接種を行った。

　パチンコ店の換気能力は一般の施設と比べ高く、日頃から来店者の手指消毒や検温はもちろん、遊技後の台の消毒など徹底した感染防止対策が行われている。

　また、遊技台の椅子は一定間隔を保てることに加えて回転するため、来場者は座ったまま体の向きを変えて接種を済ませることができ、その後も着席したまま、遊技台に備え付けられているタイマー機能で待機時間を管理し、残り時間「０分」になった人から順番に会場を後にした。

　台と台の間に設置されている引き出し式のボードは、プライバシー保護や感染防止対策に利用されたほか、遊技台に備え付けられている呼び出しボタンを押して体調の変化を知らせることもできた。靴をはいたまま入店できるため、特に高齢者には脱ぎ履きの手間が省けて好評だった。

　７０歳の女性は「できるだけ早く接種したいと思って予約を取ったら、パチンコ店が会場と聞いて驚いた。普段利用することがないので戸惑いはあったが、店内はとても衛生的だった。予診から接種後の待機まで座ったままというのもスムーズでありがたかった」と話した。