延岡市の３事業を採択

国のデジタル田園都市交付金

　政府のデジタル田園都市国家構想の交付金対象事業に、延岡市が提案した「誰一人取り残さないポータルアプリの構築」など三つの事業が採択された。市は同交付金などを活用しながら、社会実装に向けて事業に取り組む。

　提案した事業は、他に「脱マイカー社会推進のためのオンデマンド交通導入事業」「安心とぬくもりの市民参加型ＧＩＳクラウドサービス構築事業」。

　国は、デジタル技術を活用することで地方を活性化し、持続可能な経済社会を目指す「デジタル田園都市国家構想」を推進するため、２０２１年度補正予算で新たに２００億円規模の交付金を創設。「デジタルを活用して地域の課題解決や魅力向上に取り組むもの」など、社会実装に向けた事業を交付金で支援する。

　同市が提案したポータルアプリの構築は、既に運用している「のべおかＣＯＩＮ」「のべおか健康マイレージ」「防災のべおか」などの会員情報の登録やログイン機能などを一元化。簡単で便利なポータルアプリを構築することで、利便性を向上させる。

　オンデマンド交通導入は、アプリを使った予約型乗り合いタクシーと、他の交通手段を組み合わせることで、住民の移動ニーズなどに対応しながら脱炭素型社会の実現を目指す。

　北浦町をモデル地区とし、東京大学と連携して同町の市民の行動データを収集・分析し、ニーズに合ったサービス内容を構築する。

　市民参加型ＧＩＳクラウドサービス構築は、地理情報システムを活用し、避難所や公園の場所、各種規制などを市民や事業者が無料で閲覧やダウンロードできるよう利便性の高いサービスを提供。防災、交通、観光などのスマートシティ関連プロジェクトの基盤としても活用する。道路の浸水・冠水など市民からの通報を地図上に示す機能も構築し、被害の未然防止や市民向けの情報提供にも役立てる。

　国は事業費全体の２分の１、１事業当たり１億円を上限に補助する。同市への補助額は、県内で最も多い計９８８１万円。さらに、地方負担分の８割を新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で措置するため、同市の実質的な負担は事業費全体の１割ほどとなる。

　対象事業はまた、県、都城市がそれぞれ提案した計４件が採択された。補助額は、県が３件で計８６７７万円、都城市が１件で１３７万円。