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延岡駅開業100周年(3)−思い出の日豊線・延岡−宮崎1922年開通

本紙掲載日:2022-04-21
3面
1960年代に撮影された延岡駅舎

なつかしい60年代の延岡駅

◆延岡市の甲斐さん−今も円満、妻との思い出

 「思い出が込み上げてくる写真です」とはにかむ延岡市舞野町の甲斐文明さん(79)が寄せたのは、1960年代に撮られた延岡駅舎の写真。当時勤めていた大阪から帰郷した際、泊まった旅館の2階から何気なく撮影したという。

 帰ってきたのは延岡に住む恋人に会うためだった。携帯電話もない時代、手紙や公衆電話でのやりとりしかできず、どうしても会いたくて一日だけ会う約束を取り付けた。移動には列車を利用、車両に揺られている間は「ようやく会えると思った。雲の上にいるような得も言われぬ気持ちだった」と声を弾ませた。

 一日中遊び夜行列車で戻る際には、車窓から身を乗り出して再会を誓い合うドラマのような別れも経験。恋人とはこの年に結婚し、今でも新婚時と変わらない円満な仲という。

 甲斐さんは「今と昔では服装も建物も生活様式も何もかもが違う。写真を通じて当時の雰囲気や文化を感じてもらいたい」と話していた。

▽ ▽


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