門川町長３期１２年・安田氏が退任

町職員、町民らが見送り

　門川町長を３期１２年間務めた安田修氏（７４）の退任式が２１日、町役場であり、町職員や大勢の町民らに見送られて晴れやかに庁舎を後にした。母校の後輩たちによるサプライズもあり、涙と笑顔が入り交じった。副町長を１１年９カ月務めた金丸隆康氏（７２）も退任した。

　安田氏は町職員を前に、現在の心境について「よくぞここまで来たものだ。己（おの）が力と思うなよ」と述べ、時折涙ぐみながら「別れは寂しいもの。良い職員に恵まれ、才能ある副町長と教育長がそばにいてくれた」。また、「私の代わりはいても皆さんの代わりはいない。町政発展のため新町長と一丸となり、何事にもひるむことなく、信念と勇気を持って挑戦してほしい」とエールを送った。

　また、任期を残して安田氏と共に退任の金丸氏は「たくさんの人と出会い、さまざまな出来事があったが、一つ一つが私の宝物」とお礼を述べた。

　あいさつの後、花束を受け取った安田氏と金丸氏は町職員に見送られながら庁舎の外へ。玄関を出ると、取り囲むように大勢の町民が駆け付けており、「お疲れさまでした」と一斉に大きな拍手が送られた。

　さらに、安田氏が同窓会長を務める母校・門川高校の吹奏楽部と生徒会の生徒約３０人がサプライズで登場。明るい演奏と労をねぎらう感謝の言葉で花を添えた。

　安田氏の自宅の近所に暮らす甲斐ヒロ子さん（７８）は「いろいろ大変なこともあったと思いますが、無事にこの日を迎えられたことが何より良かった。こちらまで感無量で涙が出ます。テレビで市町村長の退任式を見ることがありますが、こんなににぎやかで温かい退任式は珍しいのではないでしょうか」と話した。