談話室−エンシティホテル延岡

新経営再生計画を今月から本格実行

　「とにかく、この１、２年で黒字を出すのが企業としての最大の使命だと思っています」と力を込めるのは、エンシティホテル延岡（延岡市紺屋町）の田川勝美社長（５８）。新型コロナウイルスの感染拡大でホテル業界が大打撃を受ける中、経営再生に向けた抜本的な改革に取り組むという。

　田川社長が着任したのはくしくも、県内で新型コロナ感染拡大の影響が広まり始めた一昨年春。当初はすぐに収まるかと思えたが先行きの見通せない状況が続いたため、昨年度に経営再生計画を策定、試行し、今月から本格実行に移した。

　柱となる事業のうち、採算が不安定な飲食と婚礼の部門を休止し、宿泊事業に集中。飲食部門は昼・夜営業のレストラン２店を無期限休業し、宿泊客向けの朝食のみ提供する。事前予約があれば団体客向けの昼食やディナーは用意するという。

　ブライダルも新規予約の受け付けを中止。一方、宿泊は県内旅行割引の支援策もあって地元リピーターが増えるなど、感染状況に大きく左右されることがなく、特に、実業団スポーツチームの合宿受け入れは行政との連携も奏功して、「大変評価を受けている」と田川社長。運動施設の整備も進められる中、さらに伸びしろが期待できるという。

　レストランは休業するが、ビアガーデンは感染対策を徹底して、今年も５月７日からスタート。こちらも宿泊を兼ねた利用を含め人気は根強く、「しっかりと地元の人に来ていただけるようアピールしていきたい」と意気込んでいる。

　写真は左から、田川社長、田口健策常務（５５）、吉野鎮靖同総支配人（３９）、酒井栄一同営業課長（４３）。