「夏も近づく…」茶摘みで世代間交流

延岡市北浦町地下

　５月２日の八十八夜を前に、延岡市北浦町の地下（じげ）の茶山で２８日、北浦小学校（甲斐憲一校長、１０７人）の３年生１３人と、地域の住民型デイサービス「北浦元気塾」（河野奈美子代表）のメンバーら１０人が茶摘みを通し交流した。

　同所は「日本の里百選」に選ばれており、９・３ヘクタールの栽培面積に主要品種の「やぶきた」、わせ品種の「さきみどり」「さえみどり」などを栽培している。

　茶摘み交流は１０年以上続く恒例行事。今年も木下豊年さん（８２）＝同町古江＝の茶園の一部約０・１ヘクタールを提供してもらい、大人に教わりながらやぶきたを摘んだ。この日に向けて練習した「夏も近づく八十八夜…」（唱歌「茶摘」）の元気な歌声も響いた。

　その後、釜いり茶作りも体験。熱された釜に注意しながら、軍手を着けた手で茶の葉を何度も持ち上げては水分を飛ばし、竹製のざるに移して手でもんだ。繰り返すうちに少しずつ見慣れた茶葉に近づき、香ばしい香りが漂った。

　宇戸田龍芽さん（８）は「茶摘みは初めて。楽しかったけど難しかった。釜が熱かったけど友達と一緒にできて楽しかった」と感想。葉が傷むので爪を使わないようにと教わった通り、指先で丁寧に摘む工夫をしたという。

　工藤あづささん（８）は「最初は遅かったけど、どんどん速く摘めるようになった。（葉をもむ作業は）友達に教えてもらってできるようになった」と充実感を見せた。

　茶園を提供している木下さんは「最近は手で摘む人も少ない。子どもが一生懸命摘む姿はいいですね」と目を細めていた。