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JR延岡駅開業100周年−にぎやかに記念イベント

本紙掲載日:2022-05-02
3面

一日駅長の2人、次の100年へ「出発進行」

 今年で開業100周年を迎えたJR九州延岡駅(有村哲治駅長)の記念イベントは1日、同駅であった。出発式、列車運転シミュレーター体験、記念乗車券の発売、駅周辺を巡るJR九州ウオーキングといった催しが開かれ、多くの家族連れなどでにぎわった。

◆有村駅長、駅から地域を盛り上げたい

 同駅は1922(大正11)年5月1日、吉松駅(鹿児島県)から延びる旧鉄道省宮崎線(現・日豊線)の終着駅として開業した。45年の延岡大空襲、65年の駅舎改築、87年の国鉄民営化などを経て、2017年から現駅舎での営業を開始。20年度時点で1日平均800人以上が利用する要所として親しまれている。

 出発式は、特急ひゅうが11号の発車時刻(午後1時12分)に合わせて行われた。冒頭、JR九州の中嶋敬介宮崎支社長が100年の歩みに触れ「太平洋戦争の被害や高千穂線の廃線など厳しい歴史もあったが、地域の皆さまと乗り越えてきた。今後も物流、旅客の拠点として尽力し、次の100年につなげていく」と式辞を述べた。

 続けて、来賓の読谷山洋司市長、谷平興二延岡観光協会代表理事が祝辞。有村駅長が現在地に開校してほぼ100年という北川小学校の藤岡亜花梨さん(4年)、伊藤陽葵(ひまり)さん(3年)に一日駅長の委嘱状を手渡した。

 その後、みやざき鉄道PR大使を務めるフリーアナウンサー田代剛さん(42)の進行でくす玉を開き、盛大に祝福。一日駅長の2人が電車の前で「しゅっぱーつ!」と元気に合図し、101年目の門出に花を添えた。

 大役を務め上げた藤岡さんは「緊張したけど『頑張ってね』という気持ちで合図した。地元の人に愛される駅になってほしい」。伊藤さんは「制服が着られてうれしかった。元気に、人がたくさんの駅になってほしい」とそれぞれ晴れやかな表情を浮かべた。

 この日は、延岡城・内藤記念博物館(天神小路)や市民から寄せられた歴代の駅舎、鉄道にまつわる思い出の写真を展示する「歴史パネル展」、駅前複合施設エンクロスが主催する食のイベント「おいしい!よりみちの駅」も行われた。

 元JR職員で延岡駅が初任地だったという土屋直人さん(79)=同市富美山町=と、妻の俊子さん(78)は「昔に比べて駅舎も周辺も様変わりしたが懐かしさは感じる。こんなににぎわっている駅を見るのは久しぶりなのでうれしい」と笑顔。

 有村駅長(48)は「たくさんの方に足を運んでいただけて、感慨深い。101年目も積極的にイベントを企画し、駅から地域を盛り上げたいと考えておりますので、今後とも延岡駅をよろしくお願いします」と話した。


◆おいしい6店舗に行列−エンクロスでコラボの飲食イベント

 駅前複合施設エンクロスは記念行事に合わせて、飲食イベント「おいしい!よりみちの駅」を開催。天候にも恵まれたこともあって、昼前には長蛇の列ができるにぎわいとなった。

 延岡、日向、都城市から6店が参加し、4店は駅前広場に面した施設沿いの通路に陳列台を連ねて出店。各種弁当やパン、テークアウトの和食、焼き菓子、コーヒーなどバラエティーに富んだ商品が並び、買い物客はバイキングレストランのように列になって売り場を移動しながら、気に入った品物を注文していた。

 色とりどりのりんごあめを販売するテントには、珍しさにも誘われ、写真映えを狙う若者らが次々と来店。テーブル席のオープンテラスも設けられ、家族やカップルらが休日のひとときを満喫していた。

 ベビーカーを押して来場していた市内の公務員女性(25)は「インスタグラムで知って、子どもが好きなパンやクッキーを買いに来ました。知らなかったお店にも出合えてよかったです」とにっこり。「この大型連休も感染が心配で遠出を控えているので、近くでこうしたイベントが開かれるのはありがたいです」と、買い物を楽しんでいた。


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