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勤王の志士3人を悼む

本紙掲載日:2022-05-10
3面

「黒田の家臣」日向市細島

◆小島の墓碑前−160年目の法要

 幕末の「寺田屋事件」に関連して捕らえられ、薩摩への護送途中に斬殺された勤王の志士3人の墓碑が立つ日向市細島の小島「黒田の家臣」で4日、慰霊法要が営まれた。代々墓守を務める黒木家の親族ら5人が墓前に手を合わせ志士の冥福を祈った。今年は、同事件のあった1862(文久2)年から160年目。

 志士3人は、秋月黒田藩士の海賀宮門直求、肥前の中村主計重義、但馬の千葉郁太郎徳胤。法要は、小島に流れ着いた3人の遺体を細島の黒木庄八らが見つけ、勤王の志士として手厚く葬ったのが始まり。黒木家が代々墓守を務め、3人の遺体を発見したとされる毎年5月4日に開催している。小島は、地域住民から「黒田の家臣」と呼ばれるようになり、1934(昭和9)年に県指定史跡に指定された。

 この日は、新型コロナ感染拡大防止のため、規模を縮小して執り行った。4代目墓守の弘茂さん(故人)の妻・幸子さん(90)=同市細島=、5代目の茂俊さん(59)=同市江良町=らが参列。3人の墓石、隣に立つ庄八の碑などにひしゃくで献酒後、焼香して手を合わせた。

 茂俊さんは「160年目の法要も無事開催できた。安らかに眠ってほしい。日本をつくった人たちを大事にして、今後も続けていきたい」と話した。

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