就職先の幅広げてほしい

県工業会県北地区人材育成分科会

◆日向工・富島・門川高−３生に企業説明会

　県工業会県北地区部会人材育成分科会（島原俊英委員長）は１０日、日向・門川地区の高校を対象に初めて企業説明会を開いた。日向工業、富島、門川高校の３年生約２７０人がリモートで参加し、求人票だけでは分からない地元企業の魅力に触れた。

　説明会は、延岡市内の高校に通う就職希望者向けに毎年開催している。今回、日向・門川地区の高校生にも地元企業について知り、就職先の幅を広げてもらおうと初めて企画。各校の希望も踏まえて県北に本社または支社、事業所などを構える企業２２社が参加、六つの時間帯に分かれて行った。

　このうち日向工業高校（若林繁幸校長、３０９人）からは、３年生１０３人が参加。校内に四つの会場が設けられ、生徒は希望する会社の会場に移動し、画面越しに話を聞いた。

　日向市富高の内山建設（内山雅仁社長）の会場では、内山社長が仕事の内容や社員の構成、社内イベントなどについて説明。現場の仕事に従事していない社員が工事現場を訪ねる「Ｇｏｔｏ現場」や、連携している全国各地の企業と意見交換や食事を通して技術の研さんを積むなど、ユニークな取り組みの紹介もあった。

　内山社長は、目指す企業像として▽宮崎になくてはならない会社▽新入社員が夢や希望を持って入社し続ける会社―などを挙げ、「若手は失敗して経験を積むことが大事」と話した。生徒からは「資格は必要ですか」「社員の仲はいいですか」などの質問が寄せられた。

　「進学を考えているが、いずれは日向に帰って働きたい」という同校建築科の田村翔夢さんは、「まだやりたいことが決まっていないが、熱中できることを見つけたいと思った。経験を積み、責任を持った仕事ができるようになりたい」と話した。