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「瓦田こいとまと」銅賞

本紙掲載日:2022-05-23
2面
日本野菜ソムリエ協会主催「第1回全国トマト選手権」ミディアム部門で銅賞に輝いた佐藤未樹崇さんの「瓦田こいとまと」
「瓦田こいとまと」。「こい」には▽味が「濃い」▽一度食べたら「恋」しくなる▽食べた人に幸せが「来い」――の三つの意味がある

佐藤さん(日向)−全国トマト選手権で快挙

 日本野菜ソムリエ協会主催の「第1回全国トマト選手権」ミディアム部門で、日向市塩見の農業佐藤未樹崇(みきたか)さん(43)が栽培するトマト「瓦田(かわらだ)こいとまと」が銅賞に輝いた。名だたるブランドトマトと肩を並べての受賞に、青果関係者からは「快挙」との声が上がっている。

◆名だたるブランドと肩並べ

 「瓦田」は、佐藤さんが暮らす地域の字名。この地域で取れる野菜は昔から「瓦田の野菜」として親しまれてきたという。

 佐藤さんは、糖度を上げるため極力水を与えず、味を凝縮させて育てたトマトの中から、一定の基準を超えたものだけを「瓦田こいとまと」として出荷している。

 同選手権は11日に東京都内で開催され、ミディアム部門とラージ部門に全国各地から30品の応募があった。商品名、産地、生産者情報などは一切知らせず、野菜ソムリエの資格を持つ審査員が食味し、そのおいしさを相対評価した。

 その結果、「瓦田こいとまと」はミディアム部門で銅賞を獲得。審査員からは「果肉の食感が特に良い。果汁が飛び散らず、かつ口いっぱいにトマトの風味を感じられた」「あふれ出る果肉のジューシーさと、しっかりとしたうまみ。料理好きの心をくすぐる」などのコメントが寄せられた。

 実は佐藤さん、同選手権のような品評会に挑戦したのは今回初めて。「これまでは、身近な人たちにおいしいと言ってもらえたら、それで良いと思っていた。正直、自信がなかった」

◇cobaさんに背中押され

 背中を押してくれたのは、世界的アコーディオニストで食通としても知られるcoba(こば)さんだった。

2019年5月に同市で開かれた食の祭典「運命のレシピ」に出演した際、佐藤さんの「瓦田こいとまと」と出合い、その後も一人のファンとして応援してくれているという。

 そのcobaさんから「自分の立ち位置を知ることも大事」とアドバイスを受け、同選手権への挑戦を決めた。「銅賞はうれしいが、何かが足りなかったという悔しさもある。これも応募しなかったら分からなかったこと」と感謝する。

 cobaさんに結果を報告すると「おめでとうございます。そして、まだまだこれからですね。自分の実力を知ることは大変重要です。この結果のみに左右されることなく、甘んじて受け入れて、さらに向上しましょう」と温かな励ましのメールが返ってきたそうだ。

 佐藤さんは「これからも、葉を見て枝を見て育てる昔ながらの方法を貫き、もっと上を目指したい。喜んでもらえるトマトを作っていきたい」と話している。

 同選手権の結果は次の通り。

【ラージ部門】最高金賞=「昔懐かしい味のとまと」(大阪府)▽金賞=「大島トマト特選ルビーのしずく」(長崎県)▽銀賞=「桃太郎ファイト」(岡山県)▽銅賞=「ぜいたくトマト」(茨城県)

【ミディアム部門】最高金賞=「越冬トマト」(新潟県)▽金賞=「ぜいたくトマト(極み)」(兵庫県)▽銀賞=「大島トマト特選ルビーのしずく」(長崎県)、「昔懐かしい味のとまと」(大阪府)▽銅賞=「瓦田こいとまと」(宮崎県日向市)、「あまえっこ」(北海道)▽特別賞=「闇落ちとまと」(新潟県)▽入賞=「赤丸山口トマト」(愛知県)、「Hapitoma」(静岡県)、「トマトハウスナカムラのフルーツトマト」(高知県)

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