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巨大地震を想定−門川町

本紙掲載日:2022-05-25
3面
巨大地震の発生を想定し、高台へ避難する住民たち
住宅の玄関先に掛けられた黄色の「安否タオル」

沿岸6地区で訓練

◆避難済み知らせる−玄関先に安否タオル

 南海トラフ巨大地震に備えようと門川町は22日、海岸部6地区の住民を対象に避難訓練を実施した。子どもから高齢者まで約360人が参加。今月上旬に町内全世帯に配布され、避難済みを知らせる黄色の「安否タオル」も使われた。

 想定される同町への津波の高さは最大12メートル。到達時間は最短16分で、海岸部の居住地域へは20〜30分で到達すると予測されている。

 旭町、尾末東、後向、中尾、下納屋、上納屋の海岸部6地区(579世帯)には高台や指定避難所が7カ所あり、この日は午前8時、地震発生と避難開始を知らせる町内放送に合わせ、住民たちは続々と自宅を出て路上へ。近所の人と声を掛け合いながら、地元消防団の誘導で足早に近くの避難場所を目指した。

 このうち西の山高台(標高12メートル)には約70人が避難。防災リュックを背負って避難した人や、時間を計りながら避難してきた人もいた。山室浩二町長は「きょうは事前に備えられたが、実際は揺れが治まるまで待ったり、持ち出し品を準備したりと、さらに時間がかかると思われる。日頃から防災意識を高めてほしい」と呼び掛けた。

 生後8カ月〜11歳の子ども5人を連れて家族で参加した上納屋地区の和田理恵さん(36)は「いざという時、本当に子どもたちを連れて避難できるのか不安があり、あえて朝から普段通りに過ごして臨みました。思ったより手間取ってしまい、良い経験になりました」。

 同地区の浜本和樹区長(69)は「思った以上に多くの人が参加してくれて良かった。地区には1人暮らしの高齢者が多く、その人たちの避難をどう手助けするかが課題の一つ」と話した。

 また、「無事です」と書かれた黄色の「安否タオル」が、あちこちの住宅の玄関先や郵便受けに掛けられた。

 なお、避難訓練は当初、町内一斉に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小し海岸部のみで実施された。

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