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ICTで重機を遠隔操作−リスク回避し安全施工

本紙掲載日:2022-05-25
2面

工事現場で見学会−日向市の旭建設

 日向市の旭建設(黒木繁人社長)は20日、椎葉村下福良の砂防えん堤工事現場で、ICT(情報通信技術)を利用し遠隔で重機を操作する「ICT遠隔バックホウ現場見学会」を開いた。県建設業ICT推進コンソーシアム(共同事業体28社)の6社から15人が参加し、最新の技術に触れた。

 現場は、2020年9月の台風10号の影響で土砂崩れが発生し、山の斜面(全長約220メートル)が崩れ落ちた場所。現在、上部のり面災害復旧工事と砂防えん堤工事が同時並行で行われている。

 そのような環境下で同社は、落石などリスクを回避し安全で効率的な施工を進めるため、無人バックホウを遠隔操作して掘削作業などを行っている。遠隔でのICT施工は県内初という。

 見学会では、管理技術者である同社の河野義博土木部長らが、無人化施工について説明。本来は、バックホウの位置情報や設計データを示す「マシンガイダンス(MG)」は操縦席でしか確認できないが、同社は無線通信Wi―Fi(ワイファイ)を利用し、操縦席以外からも見られるようにシステムを構築したという。

 また、バックホウに取り付けたカメラの映像をWi―Fiでオペレーター室につなぎ、同室のモニターを見ながら操作する様子なども紹介した。

 実際にコントローラーを用いて無人のバックホウを動かす体験もあり、参加者は初めての遠隔操作に不安がりながらも丁寧に操縦していた。

 延岡市から参加した日新興業の児玉大佑さん(41)は「遠近感がつかみづらく感じたが、慣れれば女性や若手でも危険無く操作できそう。危険な現場では活用性がある」と話した。

 県建設業ICT推進コンソーシアムは、ICT導入により働き方改革や作業効率化を推進し、業界の魅力向上と人材確保の観点から2020年に発足した。今後も勉強会や見学会を実施していくという。

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