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北方、南方−田植え始まる

本紙掲載日:2022-05-30
3面
延岡市内のトップを切って田植えが始まった北方町笠下地区(29日午後)

山間部から徐々に中心部へ−JA延岡

 JA延岡(楠田富雄組合長)管内の北方町と南方地区で普通期水稲の田植えが始まった。水量が豊富な山間部を振り出しに、市中心部の水田地帯へと徐々に広がっていく。5月最後の週末となった28、29日は好天にも恵まれ、代かきや本番の田植えなどの光景が見られた。

 このうち、北方町笠下の農業甲斐征雄さん(81)の田んぼでは、長男の篤さん(51)夫妻ら家族5人が早朝から田植えにいそしんでいた。

 自宅近くに点在する田んぼ計約70アールで、食用米ヒノヒカリを作付けしている甲斐さん。今年も5月に入ってからあぜ道や田んぼ周辺の草刈り、代かきなどの作業を済ませておいた。準備のかいあって28日に田植えを開始し、2日間ですべて終えたという。

 篤さんが運転する田植え機に家族が苗を補充しながら、次々と緑の苗が田んぼに敷き詰められていった。田植えが済めば、次は水の管理や病害虫の予防にと、実りの秋を迎えるまでは気が抜けない。

 先祖から代々受け継いだ田畑を守り抜くという気持ちで長年にわたり農業に従事してきた甲斐さんは、「息子にも同じことを教えてきたつもりです。それを守ってくれるとうれしい。今年も台風を乗り切って、黄金色の穂を付けてほしいですね」と話していた。

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