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LL サイズ
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(ラミネート加工は300円追加) |
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エンクロスの愛される理由−県建築士会延岡支部70周年記念事業
◆創生に携わった2人のトークセッション
設計者乾さん−まちづくりの機運、一層膨らんで
延岡駅まちエリアの「これまで」と「これから」を考えるシンポジウムが11日、延岡市幸町のwaiwaiPLAYLAB(ワイワイプレイラボ)であった。市民約80人が参加。トークセッションやワークショップを通して、同市駅前複合施設エンクロスや駅周辺の未来について思いを共有した。
主催は県建築士会延岡支部(西本幸則支部長)。同会70周年記念事業の一環で、同支部女性委員会「きらら延岡」(森迫麻紀子委員長)が中心となって企画した。
シンポジウムには、コミュニティーデザイナーの山崎亮さん(studio−L)、エンクロスのデザインを監修した建築家乾久美子さん(乾久美子建築設計事務所)が招かれた。
山崎さんは延岡駅と周辺の整備計画が進んでいた2010年から何度も足を運び、市民参加のワークショップで市民の意見をまとめたり、50団体90人以上にヒアリングしたりしてきた。
「市民活動の人たちが駅まち周辺エリアでいろんな活動をしていると『きょう駅前に行ったら誰かに会えるかな』『駅前で何かやってるかな』と期待感を持ってもらえるのではないかというイメージを持っていた」と振り返った。
駅周辺を含む全体のデザインを担当した乾さんは、ハード面について話し合う「駅まち会議」、ソフト面について話し合う「駅まち市民ワークショップ」が同時並行で開かれたことを紹介。「ソフトとハードを同時に議論して施設を作るのは全国的に珍しく、先駆的。私たちが『これはいい』と全国的に広めようとしている」と評価した。
そして「いきなりエンクロスをつくりたいという話ではなく、駅を中心ににぎわいを取り戻したいというのがテーマだった」と振り返り、「丁寧なワークショップ、事前に市民活動がスタートする中で設計して建築した者として、市民活動の充実と指定管理者が合体した運営ができている。それがエンクロスが愛されている理由なのかな」と述べた。
山崎さんは「市民活動の中にはまちづくり的要素が入っていて、『きょう、行くところがある』『きょう、用がある』という教育と教養は高齢社会にとってすごく重要。市民活動をやっていることが一歩家を出ること、口紅を差すことにつながる。そのことを市民活動をしている方が知っておくことが、続けようという気持ちにつながる」と強調した。
最後に乾さんは「プロジェクトが始まってから延岡市はどんどん変わっていって、まちづくりの機運も高まっていると思う。より一層膨らんでいくことを期待し、陰ながら応援したい」。
山崎さんは、さまざまな活動をしている人たちは宝だとし、「この宝の人たちのやる気をそいだり足を引っ張ったり、この人たちを否定したりするようなことはもったいないこと。そのような人たちがへそを曲げたり、愛想を尽かしたり、移住したりしたらその後いったい誰が担うのか。実は(県外では)そういうことが起きている地域もある」と言及。
「地域の中には意見が合わないと思うところがあっても、まちのために活動しているのであれば、距離を取ってでも共にこの地域で活動する人たちであってほしい。このまち、すごい可能性を持っている。減じることなく高めて」と激励した。
まちの現状としてこども食堂のべおか今山代表の峰田知恵子さん、エンクロスや駅まち周辺で市民活動をしている佐藤一輝さんも登壇。峰田さんは商店街の小さな子どもから高齢者までが集う食堂で、日々「ごちゃ混ぜ感」を大切にしていること、佐藤さんはエンクロスから周辺に活動が広がっていることなどを紹介した。
森迫委員長は「いろいろ考える機会になった。エンクロスが開館するまで、ワークショップなどにきらら延岡として関わってきたが、今後も継続的に関わっていかなければと思った」と話した。