「ひなたＷＯＭＡＮ」（８９）オノコボデザイン（延岡市）小野泉さん

信頼得るデザイナーに

　父親が経営する会社でデザイナーとして働いて３年目。椎葉村にある人気菓子店のスイーツパッケージを手掛けるなど、他との差別化のためのブランディングに携わる。

　「農業、林業、水産業とさまざまな分野の方と接し、この地域ならではの経験値を積むことができるのが醍（だい）醐（ご）味（み）。毎日が楽しいです」

　最近、うれしい出来事があった。経済産業省主催の「北海道パッケージデザインコンテスト」で審査員賞を受賞。愛らしい女の子のイラストなどが高評価を受けた。

　「白本由佳さんという有名なデザイナーの賞を頂き、これからの仕事のすごい励みになりました」

　３月には初の個展にもチャレンジ。オリジナルのイラスト作品とともに、装丁の趣味を生かした手作りの製本８冊を並べた。

　「好きな物ばかりを人に見てもらうという貴重な体験ができた。自分自身を見つける意味でもいいきっかけになったと思います」

　延岡市大野町生まれ。延岡星雲高時代、卒業アルバム制作などに関わるうちに、デザインへの興味が湧いた。多摩美術大に進学、多くの著名な教授から教えを受けた。卒業後は迷わずふるさとへ。

　「父もそうだったように、地元で頑張っている人たちの力になれるようなデザイナーなりたかった」

　アパートで１人暮らしだが、毎日近くの実家に立ち寄り、犬２匹と戯れてリフレッシュ。休日は祝子川上流域で暮らす祖母の家に父親と出掛け、畑仕事などを手伝う。

　「結婚や出産もあるし、女性がこの世界で独り立ちするのは大変なのが現実。よりスキルアップに努め、そうしたハードルを乗り越え、周りから信頼されるデザイナーになりたいと思います」