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平和学習、まず教職員から

本紙掲載日:2022-06-27
6面
平和学習の事前研修を受ける教員。坂本記者(左下)が画像を投影しながら説明した

岡富中・生徒対象を前に事前研修

◆恐怖を現実と感じられる想像力を身に付けさせて・延岡

 延岡市立岡富中学校(三樹浩二校長)の教職員らが延岡大空襲などについて学ぶ講座が22日、同校職員室で行われた。30日に全校生徒を対象に行う「平和学習」の事前研修として開いた。

 講師は、同市立図書館で開催中の「第19回平和祈念資料展」を担当する夕刊デイリー新聞社取締役の坂本光三郎記者。1945(昭和20)年の6月29日未明、アメリカの大型爆撃機「B29」117機が同市街地を来襲し、多くの死者を出した延岡大空襲の概要や戦争の時代を生きた人々の思いを伝えた。

 まず、市街地中心部が爆撃を受ける前と受けた後の比較写真、そして空襲から3日後にアメリカの写真偵察機が撮影した写真を上映。当時は梅雨で、市街地上空を分厚い雲が覆っていたにもかかわらず極めて正確に攻撃をしていたことから、アメリカが高い科学力を持っていたことを強調した。

 現在、ウクライナでの戦争がリアルタイムで報じられ、生徒たちはその様子を画面で見られる状況にあるものの、「砲弾が飛び交うその下で生きて、死んでいく人たちの現実を感じてはいないのではないか」と問題提起。「戦争の恐怖や悲しみを想像できる力を身に付ける必要性がある」と訴えた。

 三樹校長は「平和学習を通して、戦時中に地元ではこんなことが起こっていたのかと知ることが大切。ウクライナで戦争が起こっている今、子どもたちに現地の人の苦しみや悲しみを人ごとだと思わず学んでもらうきっかけにしたい」と話した。

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