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夏越しの大祓祭−各地の神社

本紙掲載日:2022-07-01
2面
茅の輪をくぐる参拝者(今山恵比須神社)
おはらいを受けた後、順に茅の輪をくぐる参拝者(春日神社)

茅の輪くぐり、身を清める


 半年間の罪や汚れをはらい清める「夏越(なご)しの大祓(おおはらい)祭」がきのう、各地の神社で執り行われた。


◆罪・汚れを形代に移して−今山恵比須神社

 延岡市山下町の今山八幡宮(伊藤俊郁宮司)の大祓祭は今山恵比須神社で営まれた。

 参拝者は、半年の災いや汚れを移す形代(かたしろ)に、家族などの名前を書いて奉納。社殿前の鳥居に設置された直径2・5メートルの「茅(ち)の輪」を、「8」の字を描きながら3度くぐって身を清め、ろうそくを社殿前にともし、残り半年間の平穏を祈願した。

 母、息子2人と参加した白石麻希さん(50)=同市栄町=は「ほとんど毎年来ている。家族みんなの健康、無病息災が一番の願いですね」。伊藤宮司は「例年であればまだ梅雨なので、ここまで晴れやかな天候で迎える大祓祭はとても珍しい。皆さんにとって、残り半年が、この空のように、すがすがしく爽やかな日々になることを願っています」と話していた。


◆古式神事、和歌唱えながら−春日神社

 同市恒富町の春日神社(木村健男宮司)は古式にのっとった「大祓神事」を執り行い、神社総代をはじめとする多くの参拝者が一同におはらいを受け、残り半年の安寧を願った。

 神事では参拝者全員が拝殿を中心に集まっておはらいを受け、大祓の詞(ことば)を唱えた後、氏子総代や一般参拝者の男女代表らが玉串を奉納。木村宮司が6月末と年末の年2回ある大祓のいわれを話して聞かせ、「この半年、いいことがなかったり楽しいことができなかった方もいるでしょうが、清めはらわれましたので、自信を持って7月へと進んでください」と祈願した。

 その後、神職を先頭に境内を回った参拝者は、「みな月のなごしの祓ひする人は千年の命のぶというなり、思う事みなつきねとて麻の葉をきりにきりても祓ひつるかな、蘇民将来(そみんしょうらい)、蘇民将来」と「夏越大祓和歌」を唱えながら茅の輪をくぐり、形代を奉納した。

 形代は境内でおたき上げ(焼納)され、その灰を三須神社近くの五ケ瀬川へと流し清めるという。近所から祖母と参拝した竹井珠佑さん(恒富中3年)は「小さい頃から祖父母に連れられて毎年お参りしています。今年も祖父母や家族の健康を願いました。受験の年なので自分も健康に気を付けて勉強に励みます」と神妙な表情で茅の輪をくぐっていた。

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