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戦争の恐ろしさ知る

本紙掲載日:2022-07-18
6面
北方学園中学校で行われた平和学習

北方学園中が平和学習

 延岡市立北方学園中学校(池野宗宏校長、63人)は7日、延岡の空襲をテーマにした平和学習を行った。1〜3年生は、夕刊デイリー新聞社の坂本光三郎記者の話を聞きながら、戦時中を生きた人々への思いや命の尊さを考えた。

 延岡の空襲は1945(昭和20)年3月ごろから始まった。延岡大空襲は6月29日未明の空襲を指し、米軍の大型爆撃機「B29」117機が来襲。焼夷(しょうい)弾攻撃によって延岡の街は焦土と化し、多くの死者を出した。

 坂本記者は、41年12月8日に日本がアメリカとイギリスなどに宣戦布告をして太平洋戦争が始まったこと、その4年前の37年7月7日には盧溝橋(ろこうきょう)事件がきっかけとなって日中戦争が始まったことなどを話した。

 続けて、アメリカ・グアムの基地から飛んできた戦闘機は高性能な武器や兵器を積んで、延岡や岡山、佐世保などを同時に狙っていたことを地図を見せながら説明。米軍は日本の木造家屋を効率的に燃やすため、ゲル状の油脂を詰めたナパーム弾を開発していたことなどを動画を通して解説した。

 米軍の戦闘機が延岡市の上空を通過して福岡などに向かっていたことから、毎日のように空襲警報のサイレンが鳴り続けていたことを説明し、実際に空襲警報のサイレンなどの音を鳴らした。不気味な警報音と焼夷弾が落下する音、爆発音などの生々しさが空襲の恐ろしさを感じさせた。

 また、坂本記者は日本人の死者310万人のうち230万人が軍人、80万人が民間人だったと説明し、「数ではなく、その中にどのような人がいたのかなど想像して、戦争は嫌だと思ってほしい」と締めくくった。

 中田成穂さん(14)は「焼夷弾によって一夜にして木造家屋が燃やされたという話を聞いて、改めて戦争の恐ろしさを感じた」、緒方陽菜さん(14)は「授業では習わないような戦時中の様子を詳しく知ることができた。戦争の恐ろしさを改めて考え直すことができた」と話した。

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