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「ひなたWOMAN」(92)平岩採介藻グループ(日向市)岩本愛さん

本紙掲載日:2022-07-19
3面

藻場再生で豊かな海を

 平岩の漁師6人が取り組む藻場の再生に昨年から参加する。海の透明度が高く、風がないだ12〜2月にかけてが活動期。月2回、平岩港近辺の浅瀬に素潜りし、磯焼けの原因の一つとされるウニの適正駆除に当たる。

 「増えすぎたウニを一個一個、ハンマーでつぶしていくんですが、岩の割れ目に生息していて結構大変な作業です。体は冷え切り、陸に上がれば、たき火に一直線です」

 趣味のサーフィンが縁で2020年8月に日向に移住し、翌9月には「沿岸における防災行政」などを学ぶため、国際連合大大学院(東京都)に入学。オンライン授業の日々の中で昨年11月、たまたま見ていたテレビでグループの存在を知った。

 「大学院での研究テーマが海洋環境にも関係していることもあり、『知識が生かせる』と思ったのがきっかけでした」

 埼玉県出身で筑波大卒。2014年から19年まで得意の語学力を生かし、日本オリンピック委員会(JOC)で国際渉外を担当。21年の東京オリ・パラでは大会組織委の有期職員としてサーフィン競技に関わった。

 東京で暮らす放送作家の夫とは双方で行き来する生活だが、平岩に土地を購入するなど第二の故郷への準備は着々。グループ代表の高橋和範さんは、「平均年齢が70歳を超す中、若い力の加入は大きな希望」と喜ぶ。大学院は今月に卒業。9月からは、漁業者がもっと潤うような仕事を手掛ける会社でリモート勤務予定という。

 「10年前と比べ、藻場が20倍以上に拡大し、魚影が濃くなり、駆除した場所のウニはしていない場所と比べ、5倍近い身入りだと聞きます。世界に誇れる活動を通じ、日向の豊かな海を後世に残す手助けをしたいですね」

(毎週火曜日掲載/撮影時のみマスクを外しています)

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