ココカラＳＤＧｓ－第１６回「旅から考えるＳＤＧｓアクション」（上）

本紙掲載日：2022-07-25

6面

◇コロナ禍、一瞬にして仕事なくなる－執行さん
◇負けていたらＳＤＧｓは語れない－山﨑さん
◇大人も未来をあきらめない－難波さん

　今注目のＳＤＧｓ（エスディージーズ）をテーマに、地域や地球の未来を共に考えるＦＭのべおかの番組「ココカラＳＤＧｓ」の第１６回「旅から考えるＳＤＧｓアクション」が、２１日に放送された。内容を一部抜粋し、２回に分けて紹介する。

　アドバイザーはＳＤＧｓコミュニケーターの難波裕扶子さん（４９）＝シンク・オブ・アザーズ代表、日向市亀崎西＝。ゲストはＪＴＢ宮崎支店＝宮崎市＝営業課長の執行覚（しぎょう・さとる）さん（４４）、ＡＶＣ放送開発＝同＝営業本部副部長の山﨑智広さん（４２）。なお、収録は１９日に行われた。

－－第１６回のテーマは「旅から考えるＳＤＧｓアクション」です。

〈難波〉７月２０日は「修学旅行の日」です。現在、コロナ禍の第７波に入ったと言われていますが、感染防止策をしっかり取りながら、県外へ出掛ける人も増えてきています。
実は今、観光産業も変化してきており、旅行でもサステナブル（持続的）な視点が重要視され始めています。そこで今回は「旅」に着目し、その実現に向けてどう取り組んでいるのか、ゲストのお二人にじっくり話を伺いたいと思います。

－－まずは執行さん、自己紹介をお願いします。

〈執行〉宮崎県ではなじみがない名字だと思います。私は福岡県出身で、前任地のインドから日本に帰ってきて、３年前から宮崎支店で働いています。
赴任して１年たった頃にコロナ禍に見舞われまして、われわれの会社を含む観光産業も大変な影響を受けました。一瞬にして仕事がなくなる、そんな現実を目の当たりにしました。
そしてわれわれも変わっていかなければ、修学旅行や職場旅行を手伝うことはできないという危機感に直面しました。そんな中、私の師匠である難波さんとお会いし、いろいろな影響を受けて、今に至っています。
私が家庭でもＳＤＧｓのことをいろいろと話すので、妻が一番、影響を受けていて、家庭から合成洗剤が消えたり、プラスチック製品が消えたり。将来は森に住むことになるのではないかと、最近、気になっています。

－－続いて山﨑さん、自己紹介をお願いします。

〈山﨑〉弊社は総合広告代理店で、テレビＣＭやイベント企画運営、時には花火を上げたりと、プロモーションに関わるさまざまな仕事をさせてもらっています。
私は延岡市出身で、延岡高校から米国の大学に進みました。当時の先生から「よくその英語力で行きたいと言ったな」と止められながらも渡米し、良い経験をさせていただきました。
東京都内で働いたのですが、縁あって現在の会社でお世話になっています。機会を見つけて延岡でも大きい、何か面白いことができたらいいなと常々思っているところです。

－－難波さんとゲストお二人のつながりについて教えていただけますか。

〈難波〉２年前に「ＭＩＹＡＺＡＫＩＳＤＧｓＡＣＴＩＯＮ（ミヤザキ・エスディージーズ・アクション）」というプロジェクトが立ち上がりました。
高校生の探究学習をキーワードに大学生、企業、自治体も一緒にチームを組んで社会課題を解決していく取り組みです。そこで、今回のゲストお二人と知り合いました。

〈山﨑〉今年３年目を迎えるプロジェクトで、私はその事務局を担当しています。「何かこれからの社会のために、若者たちのために役に立つことはできないか」と弊社、ＪＴＢ宮崎支店、宮崎大学で有志を集めて立ち上げました。難波さんには、私たちの師匠として加わっていただいています。

－－執行さん、インドでの経験について教えていただけますか。

〈執行〉インドに暮らしたのは２０１８年の１年間です。そこで取り組んだのは、日本の高校生を対象にしたインドでの研修プログラムの開発でした。いろいろ考えた中で、インドにはたくさんの社会課題があったのですが、逆にこれを素材として使えないかと思ったのです。
ちょうどＳＤＧｓに出合った頃だったので、ＳＤＧｓについて日本とインドの高校生で一緒に考えてはどうだろうかと。
実は日本人とインド人は特徴が全く逆で、計画立てて取り組む日本人の高校生と、現場での突破力で勝負するインド人の高校生。そこを組み合わせることで、日本の高校生にとってすごく刺激になるのではないかと考えました。
その研修プログラムはすごく好評を得て、これを日本に持ち帰って、日本でも立場や考え方が違う人同士を交じり合わせる機会がないかと考えていた時に、新型コロナに襲われました。
そこで、ＳＤＧｓを切り口に高校生、大学生、企業、自治体など立場が違う人たちで一緒に課題を見つめていけたらいいなと、ＡＶＣ放送開発に相談し、形にしていただいたのが「ＭＩＹＡＺＡＫＩＳＤＧｓＡＣＴＩＯＮ」です。

〈難波〉あれから３年。振り返るといろいろなことがありました。

〈山﨑〉新型コロナの壁が一番厚かった。でも「負けていたらＳＤＧｓは語れない」と取り組みを続けてきました。

〈難波〉全てオンラインに切り替えて、あらゆる手段をやり尽くしましたよね。参加してくれた高校生もすごかったです。彼らが持っている「社会に訴える力」をすごく感じました。

〈執行〉高校生の姿勢にももちろん驚かされましたが、社会人の皆さんも地球のことをよく考えていて、旅行会社とお客さまの関係では感じることができなかった雰囲気を、同じ目線で感じられたことはわれわれにとって大きな収穫でした。

〈難波〉今、高校生だけではなく、いろいろな地域で小学生も中学生も考えています。そこには、そんな子どもたちの姿を見て「ああ、すばらしいな」ではなく、一緒に考えていこうとする大人がいます。
だから子どもたちは希望を持てるのだと、そのことをよく感じます。きょうのゲストのお二人も未来をあきらめていませんよね。

（つづく）

【提供】旭化成、グローバル・クリーン、和光産業

■再放送■２８日午後８時、３１日午前１１時からの２回