福祉、薬学の講義体験

九保大の学習環境を知る−南浦中

　地元にある大学を訪れ、充実した学習環境を知り、生徒の職業選択の視野を広げることを目的に延岡市立南浦中学校（濱下裕二校長、１３人）の全校生徒は７月２７日、同市吉野町の九州保健福祉大学を訪問し、福祉や薬学についての講義を受けた。

　最初に介護について、工夫が施された車いすや機械を使っての入浴方法、誰でも使いやすい食器などについて学んだ。

　続いて薬学の講義では、薬学部の横山祥子教授指導の下、二つの実験を行った。まず一つ目はスポーツドリンクを使った酸化還元の実験。生徒が三角フラスコに水７０ミリリットルとスポーツドリンク３０ミリリットル、メチレンブルーを３滴入れて軽く振り混ぜると、フラスコ内の空気を液体が取り込んで酸化し、青く染まった。１０〜２０秒ほど静置させると液体の色が消え、生徒は何度も振っては変化を楽しんだ。

　横山教授は「メチレンブルーによる青は酸化した状態。液体の色が消えたのはスポーツドリンクに入っている抗酸化剤の働きで液中の酸素が還元されたから。スポーツドリンクなど抗酸化作用を起こす食材は、心不全などの原因にもなる活性酸素を取り除いてくれるので健康にいい」と話した。

　二つ目は水と一円玉を使った表面張力の実験。ビーカーに入れた水の表面に一円玉の片面をくっつけるようにして浮かべ、食器用洗剤などにも含まれる界面活性剤を１、２滴垂らすと、表面張力が失われて一円玉が落ちる。だが、最初に一円玉を浮かばせること自体が難しく、生徒は何度も失敗しながらも、水の量を調節したり、一円玉を拭いたりと何度もチャレンジ。成功すると「やったー！」とハイタッチをして喜んだ。

　この後、同校の教員も一緒に参加し、一円玉の枚数を増やしたり、水の量を減らしてみたりと、いろんな組み合わせで実験を行った。

　山下由唯璃さん（２年生）は「最初は一円玉は水に沈むと思っていたが、浮かんだ。５回以上挑戦して成功したのは２回。成功すると楽しくてうれしいです」と話した。