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地域の文化を継承−伊形花笠踊り

本紙掲載日:2022-08-10
3面
本番に向け、稽古に励む子どもたち

15日夜に奉納、本番へ小6の7人が稽古中−延岡市伊形町

 延岡市伊形町では、伊形小の6年生7人が県と市の無形民俗文化財に登録されている「伊形花笠(がさ)踊り」の稽古に励んでいる。15日夜に奉納する予定で、舞い手の甲斐絢聖さん(11)は「完璧に間違えずに踊りたい」と張り切っている。

 踊りは、400年以上前から伊形地区に続く伝統芸能。7日7晩にわたり続いた津波が、村人たちが避難していた小高い丘にある山王神社(現在の日枝神社)に現れた7羽のシラサギの舞で収まったことが由来とされ、毎年8月15日に農村、農耕の無事を祈る「龍神祭」で奉納している。

 20年ほど前からは、文化の継承を目的に、伊形小6年生から希望児童を募って夏休みに合わせて特訓し、大人の後に奉納するのが恒例になっている。

 1日から始まった稽古では、全3番の踊り習得に向け、同保存会(重黒木實行会長)の会員らが指導。児童は、扇子や御幣を操りながらの慣れない動きに戸惑いながらも、一通り踊れるようになってきた。

 甲斐さんは「扇子できめるところがかっこいい」。岩切碧さん(11)は「昨年6年生の踊りを見てかっこいいなと思った。難しいが楽しい。みんなとずれないように頑張る」と意気込んだ。

 当日は午前10時30分から伊形中央公民館で龍神祭、その後子どもが踊りを奉納。午後6時からは踊りの発祥とされる日枝神社(石田町)で大人が奉納、午後7時から伊形中央公民館で子どもが踊る。重黒木会長(82)は「コロナで心配が多いが、地域を守り続けてくれている神様へのお礼を込めて奉納したい」と話している。

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