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「ケンカ知事、南の島へ」

本紙掲載日:2022-08-11
3面
小池光一さんの新著「ケンカ知事、南の島へ」

元宮銀会長・小池光一さんが小説出版

 宮崎銀行の頭取、会長を歴任した小池光一さん(74)=東京都渋谷区=がこのほど、幻冬舎から小説「ケンカ知事、南の島へ」を出版した。

 主舞台は奄美大島。昭和初期、官選知事として鹿児島県に赴任した内務官僚・小島光三を主人公に物語が展開する。

 薩摩藩の支配下でサトウキビ栽培を強いられ、「黒糖地獄」といわれるほどの苦難を味わった島の人たち。現地を視察した知事はその過酷な歴史と本土との格差に衝撃を受ける。

 「独立財政」を廃止して島の社会構造を変えようとするが、庁内外の激しい抵抗に遭って孤立化する。それでも人一倍正義感の強い知事はあきらめない。驚きの決断がラストに待ち受ける。

 一本気で負けず嫌い。島と焼酎をこよなく愛し、趣味で色鉛筆画をたしなむ本書の主人公は、母方の祖父に当たる市村慶三・第20代鹿児島県知事がモデルという。

 小池さんは東京出身。東大経済学部を卒業後、1970年に日本銀行に入行した。2008年に宮崎銀行頭取となり、15年から18年まで会長を務めた。本書で奄美大島の歴史や産物などが生き生きと描かれるのは、離島研究をライフワークとする小池さんの面目躍如たる部分でもある。1650円(税込み)。

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