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発掘調査の成果を展示−県埋文センター

本紙掲載日:2022-08-13
2面
展示解説に耳を傾ける来場者。手前右から門川南町遺跡から出土した石錘、分蔵遺跡から出土した深鉢

28日まで門川町役場−「地域の歴史再認識して」

 県内の遺跡を発掘調査し、出土した土器や石器などを記録保管している県埋蔵文化財センターの移動展示会が28日まで、門川町役場町民ギャラリーで開かれている。午前9時〜午後5時。入場無料。

 発掘調査の成果を地域に還元しようと企画。町内の遺跡から出土した土器や石器を中心に約360点を展示している。「この機会に地域の歴史を再認識してほしい」と来場を呼び掛けている。

 7日は、同センター職員の谷口晴子さん(48)が展示解説を行った。

 このうち町指定史跡である近世の窯跡「庵川窯跡」は、盗掘や土地改変で荒廃していく状況を見かねた地域の人たちが団結し、当時の門川町長を会長とする保存会を発足させ、1972年に発掘調査が行われた。
 
会場には出土した陶器のほか、発掘調査の様子を伝える地元新聞の記事なども展示されている。

 谷口さんは「当時、自治体が中心となって遺跡の保護を目的に発掘調査を行うことは珍しかった。地域の遺跡を後世に残そうと力を尽くした人たちの姿から、文化財保護に対する意識の高さが伝わる」と解説した。

 門川南町遺跡から多数出土した縄文時代の石器「石錘(せきすい)」は、石の両端を打ち欠いたへこみに縄や網を結び、漁の網の重りとして使用されたもので「海岸部に近接した遺跡の特徴を示しており、門川町らしい」。

 また、分蔵(ぶんぞう)遺跡から出土した縄文時代の土器「深鉢」や、南町遺跡から出土した縄文時代の土器「浅鉢」についても、その特徴を丁寧に解説した。

 この日は拓本や石器レプリカ作成の体験講座もあり、来場者は思い思いに楽しんでいた。

◆10月25日から日之影町でも

 移動展示会は今年度、門川町役場を含む県内3会場で計画されており、10月25日〜11月13日は日之影町役場、来年1月18〜30日(24日は休館日)は宮崎市立図書館で開かれる予定。

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