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先祖の霊を送る−幻想的な光の列

本紙掲載日:2022-08-17
3面

北方の送り火−150年以上前から続く伝統

 延岡市北方町の後曽木地区で15日夜、道路沿いにたいまつを並べて先祖の霊を送り出す伝統風習の「送り火」があった。

 伝統を守り継ぐ「送り火を考える会(和田勤会長)」によると、この地区の送り火は150年以上続いている。集落沿いの道路600メートルの間に高さ2メートルほどの鉄製ポールを約500本設置した。

 辺りが暗くなってきた午後7時半ごろ、地元の人たちは家の前に立つポールにたいまつをともした。ポールの先端には鉄製のカップがあり、その中に火をつけたたいまつを入れると、水田に囲まれた一帯に幻想的な光の列が浮かび上がった。家族らは燃えるマツの香りと煙が漂う中を歩きながら先祖の霊を慰めた。

 同地区で農業民泊を営む佐藤健(つよし)さん(74)は「夕方は雨が降っていて不安でしたが、今年はばっちり燃えた。実際に来て見てみないとこの光景の素晴らしさは分からない」。妻の和子さん(74)は「送り火はもともと北方の言葉で〃火明(ひあか)し〃と言う。最近は送り火と呼んでいますが、昔の言葉を廃れさせたくない」と話した。

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