１８歳の新成人感謝と責任

「実感ない」との声も−美郷町

　美郷町で１５日に開かれた県内初の１８歳を対象にした成人式には、２８人の新成人が出席した。中学までを同町で過ごし、現在は県内各地の高校や社会人としてそれぞれの道を歩んでいる仲間との再会を喜び、門出を祝い合った。北郷、西郷、南郷地区の３人に１８歳での式典や将来について思いを聞いた。

　北郷出身の山下夏澄さん（１８）＝延岡星雲高３年＝は、高校の同級生の多くが延岡市出身のため、１８歳で成人式があることに驚かれたという。

　式での服装は、制服か平服を指定されていたため、高校の制服で出席。「着物を着られなかったので、２０歳になったら晴れ着姿で写真を撮る予定」と２年後を楽しみにしている。

　今後については、「自分の言動に責任を持って生活したい。親にはたくさん迷惑を掛けたけど、育ててくれて感謝している。進学する予定なので、卒業後、就職したら初任給で何か買ってあげたい」と話した。

　幼稚園から小学２年生までを南郷で過ごした奥野弘明さん（１８）＝日南高３年＝は、父の勧めで式に出席。「みんな覚えてくれているか不安だったけど、声を掛けてくれてうれしかった。出席して良かった」。笑顔で友人と近況を語り合っていた。

　現在は日南市に住んでいるため、２０歳になったら日南の成人式にも出席する予定。「式は大人になることを自覚するための機会。僕は２回あるので、より一層自覚できる。ただ、まだ、成人の実感はない。将来の夢や職業も未定だけど、しっかりとした大人になりたい」と語った。

　西郷地区の西田郁弥さん（１８）＝日向高３年＝は、成人年齢引き下げについては「選挙権も若い人の意見を取り入れるためだし、併せて引き下げは良いと思う」とした一方、「成人式はできれば２０歳でしたかった。１８歳でも久しぶりに会う人もいたが、２０歳だともっと久々の再会を楽しめた」と素直な意見。

　一方、「冬は受験もあるし、夏に開催してくれて良かった」と感謝の言葉も。将来については「理学療法士になるため大学に進む。まだ親には助けてもらいながらなのでそれまでは感謝し、社会人になって恩返ししたい」と話した。