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美郷栗−ブランド化のために

本紙掲載日:2022-08-22
3面
ドローンを見守る栗部会の会員ら(美郷町西郷田代)

ドローン防除を検討

◆担い手不足解消など省力化模索

 クリの産地として「美郷栗」のブランディングを進めている美郷町の栗園地でこのほど、ドローンによる防除効果の検証試験が行われた。農薬散布を行い、経過をみて実用化を検討する。

 町では、クリのブランディングを進めているが、栗部会115人の平均年齢は71歳と高齢化が進んでいる。担い手不足も進み、良質なクリの生産に欠かせない農薬散布などの実施が困難になっている。

 そんな中、県は昨年度、市町村と民間企業が連携し、新たな価値を取り込んだ地方創生の取り組みを支援する「みやざき新価値創造プロジェクト」を発足させた。同プロジェクトに町が提案した課題の一つが栗園の防除。この課題解決に九州電力が協力、自社所有のドローンを用いて防除試験を実施することになった。

 この日は、栗部会や町、県職員、九州電力宮崎支店の社員ら10人ほどが参加。傾斜地や平たん地など条件が異なる町内3カ所の栗園地を巡り、作業した。

 このうち、同会員石井寿幸さん(74)の傾斜地にある15アールの栗園は、作業効率と、しっかり防除できているかなど農薬の効果について比較するため10アールをドローンで散布。

 九電の社員は、散布用ドローンとさらに上空から全体を把握する監視用ドローンの2機を飛ばし、加えて目視で確認しながら作業。普段、石井さんと奥さんの2人がかりで約40分かけて散布するが、ドローンでは約15分で作業を終えた。

 作業を見守った石井さんは「ここは急斜面で大変。ほかにも栗園が数カ所あるので日に1カ所ずつ作業しているが、ドローンだったら1日で終えられる」と関心を寄せていた。

 町農林振興課の吉田健洋主査は「作業の省力化が課題となっているので、しっかり効果が上がればドローン散布を希望する人もいると思う」と話した。

 なお、3カ所はいずれもドローンと手作業それぞれで散布している。今月中にも散布し、9月の収穫時に農薬の効果を確認したうえで、実用化を検討する。

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