剣道、全日本選手権へ

県警の中武さん（延岡出身）−県代表で挑む夢の舞台

◆「攻めて優勝したい」

　県警察本部警備部機動隊の中武剣吾さん（３０）＝延岡市出身＝が、国内の強豪剣士がしのぎを削る第７０回全日本剣道選手権大会（１１月３日、東京・日本武道館）に県代表として出場する。初めて挑む夢の大舞台に「自分のスタイルである攻めの剣道で優勝したい」と気合に満ちている。

　同大会の予選会を兼ねた県男子剣道選手権大会（７月９日、宮崎市）に出場した中武さんは、コテで初戦を勝利し、その後の準決勝までの３試合もメン・ドウ、メン・コテ、ドウ・コテで勝って勢いに乗ると、同郷対決となった決勝戦でも同僚の下窪健吾さんを破って初出場を決めた。

　予選会には、県警巡査を拝命した２２歳から連続出場。昨年と一昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で警察官は欠場を余儀なくされた。「子どもの頃からの憧れの舞台。剣道のレベルが高い宮崎で代表は１人なので、これまで頑張ってきたが勝てなかった。ようやく出場できる」と目を輝かせる。

　中武さんは５歳から剣道を始め、小学生から中学生まで延岡市出北の佐藤道場（佐藤一雄館長）で教えを受けた。高校は延岡工業高に進み、父の久さんが当時顧問をしていた剣道部でさらに腕を磨き、２年生の時には県高校総体で個人戦優勝、インターハイ（全国高校総体）８強入りした。現在は６段の腕前。

　警察官の日々の仕事に加え、潜水やレンジャーなど機動隊の専門部隊訓練などもあり、剣道の稽古時間の確保は難しい。週３回の朝練と平日２時間の練習を積むが、全国で勝つには足りないため、土、日曜日は近くの高校や県警の道場「武徳殿」で自主練習を行って稽古不足を補っているという。

　得意技は「メン」。子どもの時に特に強く教えを受け、技への思い入れも深い。「全日本剣道選手権は剣道をやる人の憧れの舞台。初出場なので思い切りやりたい。格上ばかりだが、気負わずにできたら結果は付いてくると思う。自分から積極的に技を出していきたい」と話していた。