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自分で身を守れ−門川町草川小

本紙掲載日:2022-09-16
3面

下校時放課後−大地震、即応訓練

◆津波てんでんこ−自宅に戻らず逃げて

 門川町立草川小学校(中田憲治校長、287人)はこのほど、下校中や放課後に大きな地震が起きて津波警報が発令されたとの想定で避難訓練を実施し、児童は独自の判断で身を守るすべをおさらいした。

 下校中の防災訓練は昨年度まで町内4小学校で一斉に実施していたが、今年度から学校単位となり、草川小が先頭を切って実施。子どもたちは居住地域ごとの班別に集団下校し、屋外防災無線で地震発生が知らされると、身の回りの安全を確認した上で身をかがめ、手やランドセルで頭を守りながらじっと揺れが収まるのを待った。

 その後、津波警報の放送が流れると、急いで立ち上がり、上級生の班長が率いて最寄りの高台へ駆け上がって避難。全員の無事を確認後、見守った教職員らが学校に連絡した。

 同校では1学期に学校内での避難訓練に取り組むとともに、校区内の津波避難場所となる高台を実際に歩いて回り確認。今回は実地訓練を前に班ごとに津波ハザードマップを作成し、自宅や通学路、よく遊ぶ場所に印を付け、その時いた場所で地震が起きたらどの高台へ逃げるかを話し合った。

 訓練実施は校区の住民にも事前に知らされ、保護者や区長、民生・児童委員らも見守ったほか、地元消防団員が手分けして交通安全を確保。草川保育園も地震放送の時間から訓練に参加し、園児36人が救命胴衣を身に着けて、児童と一緒に園舎近くにある高台に駆け上がった。

 南海トラフ巨大地震を想定した最大津波高のハザードマップでは、草川地区の広い範囲が水深5〜10メートルの浸水被害に見舞われると想定。このため同校は児童に対し、「津波が発生したら他人のことは気にせず、それぞれで逃げろ」という意味の「津波てんでんこ」を日ごろから指導している。

 この日も避難先では教員や区長らが、「心配だからと絶対に家に戻ってはいけない」「家族がどこに逃げるか決めておくこと」「生き残れば必ず再会できる」などと強調。西2地区班長の安田陸政さん(6年)は「きょうはみんな素早く避難できた。違う地区にいても避難場所が分かるよう、日ごろから確認しておきたい」と話した。

◆避難ルート、事前に図上で確認

 この合同避難訓練を前に草川小学校の全校児童は町のハザードマップを見ながら避難経路などを考える「防災図上訓練」を行った。

 訓練は、九つの居住地区と二つの児童クラブごとに各教室や体育館に分かれて実施した。まず、ハザードマップに自分の家、通学路、普段遊ぶ場所、避難場所候補地をシールやペンで記入。その後、地震発生時にいる可能性がある場所を示し、そこからどの避難所に、どの経路で向かうかを話し合った。

 児童は「(放課後に)学校で遊んでいる時は学校」「家の近くなら(須賀崎貯水)タンク場やね」などと意見を交わし、避難所までのルートを決めた。

 この日は、児童のサポート役として防災士ネットワーク日向支部の12人と防災士の研修を受けた門川高校の2年生15人も参加した。

 浜二地区の防災士の岡田修さん(74)=日向市=は、「災害はいつどこで起こるか分からない。図上訓練も避難訓練も繰り返しやることが大切。帰ったら、家族でも話し合ってほしい」と呼び掛けた。

 黒田琴祢さん(6年)は「みんなでいる時もあるけど、一人でいる時もある。いつでも避難できるように危機感を持って過ごしたい」と話した。

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