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稲が倒伏そのままでは発芽

本紙掲載日:2022-09-24
3面
台風で倒れた稲を起こす作業に追われる前田さんら

1束ずつ丁寧に起こす作業−延岡市舞野町

 延岡市舞野町の田園地帯では23日、農家の人たちが台風の風で倒れた稲の手当てに追われていた。このうち、前田栄一さん(64)=同市野地町=は親戚の花畑健児さん(68)=同市緑ケ丘=一家4人に加勢してもらい、朝早くから作業。稲穂が地面に密着していると発芽してしまうため、1束ずつ手で丁寧に起こしていた。

 前田さん方の田は、泥をかぶって機械が使えなくなる被害こそなかったものの、猛烈な風で稲が根元から折れた上に大量の雨水などが流れ込み浸水。稲は倒伏しても機械で刈り取ることができるが、今年は田植えが遅れたため、あと数日はもみに日を当てて熟成させる必要があるという。

 近くに所有する別の田が3カ所あり、2日前から作業していたというが、涼しかった前日までとは一転。この日の市内は31度を超える真夏日がぶり返し、一行は汗だくになりながら、1日がかりで約500平方メートル分の稲を起こしていた。

前田さんは「舞野の米は行縢の清流で育ち『冷めてもおいしい』と評判で、今年は間違いなく豊作だと喜んでいた矢先の台風でした。米質に問題はないと思いますが、自然の脅威には太刀打ちできませんね」と、手を止めることなく話した。

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