「ひなたＷＯＭＡＮ」（９１）グロースリング（日向市）−林紗由美さん
本紙掲載日：2022-07-12
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１００年木材を後世に
父親が営む製材会社が２０２０年に立ち上げた百年木材事業部のマネジャー。「百年育てた木を百年使う」をコンセプトに、ネットショップ（楽天市場・そだてもの本舗）を通じて５０種類余りのギフト用小物を販売する。
「６３歳の父が、還暦を迎えた頃から集めたスギやヒノキなどの銘木が素材です。近隣の木工職人さんとコラボし、『余計な装飾はしない』『時代を超えて愛されるデザイン』を心掛けながら、一輪挿しやカッティングボード、鏡餅などを扱っています」
戦争や災害を乗り越え生き延びてきた銘木だが、時間相応の評価がなされていないのがさみしかった。そんな思いから、銘木には人の心を豊かにする力が秘められていることを伝えるワークショップに力を入れる。
「５月には延岡で開きました。参加者にはヒノキの芳醇（ほうじゅん）な香りを実感してもらい、オイル研ぎを通して自分だけのものに仕上げる楽しみなどを体験していただきました」
転機は、大阪でダンスのインストラクターをしていた２０１８年に訪れた。父親が日向市内で開いた展示会で、スギ材のテーブルに目を奪われた。あまりの出来栄えに、「銘木文化を後世に引き継ぐ仕事がしたい」とビビッときたという。
「ちょうどその頃です。父から『林業がもっと潤うようなビジネスモデルをつくりたい。手伝ってくれないか』の相談があり、帰郷を決めました」
日知屋東小、富島中、日向高とハンドボール一筋。趣味は関西外国語大時代から親しむダンス。夫と月２回、延岡市内のスタジオに通い、社交ダンスを楽しむのが一番の息抜き。
「コロナ収束後は海外にも発信し、新しい銘木文化で世界の人々を笑顔にしたいですね」