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牧水の足跡に触れる−県立図書館

本紙掲載日:2022-10-07
9面
県立図書館で開催中の特別展「若山牧水〜牧水と旅〜」

16日まで、旅先で詠んだ歌など90点展示

 県立図書館は、宮崎市船塚の同館で特別展「若山牧水〜牧水と旅〜」を開催している。16日まで。郷土の歌人・若山牧水が「みなかみ紀行」という旅に出てから、今年で100周年を迎えることを機に、旅をこよなく愛した牧水を身近に感じてもらおうと歌や紀行文、書簡など約90点を展示している。観覧無料。

 「みなかみ紀行」は、1922(大正11)年10月14日に静岡県沼津の自宅を出てから1カ月近く長野県や群馬県、栃木県などを巡った旅で、この時の一人旅の模様をつづった同名の紀行文「みなかみ紀行」は、24(同13)年に出版されている。

 会場の特別展示室には、「みなかみ紀行」をはじめとする文集の他、牧水が旅先で詠んだ遺墨10点などを展示。親友の平賀財蔵(号は春郊)に宛てた書簡では、生まれ故郷の坪谷(現日向市東郷町)に近い美々津まで鉄道が開通したかを尋ねるなど、ふるさとを気に掛ける一面がうかがえる。

 このほか、旅先からの近況報告の書簡や、知人の男女2人の仲を取り持とうとする手紙、牧水が17(同6)年から19(同8)年まで住んでいた場所が確認できる当時の東京府巣鴨町(現東京都豊島区)付近の復刻地図と牧水手書きの地図、牧水の歌碑の写真なども展示している。

 同館は「人生を『旅』にもなぞらえていた牧水はなぜ旅をしたのかを、牧水が残した歌や紀行文・書簡なども併せて紹介するとともに、人はなぜ旅をするのかという根源的な問いへの答えを見学者の皆さんにも考えていただく機会になれば」としている。

 特別展示室の開室時間は午前9時から午後5時(図書館は午前9時〜午後7時)。11日は休館日。

 問い合わせは同図書館情報提供課郷土情報担当(電話0985・29・2954)まで。

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