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西陣織で若冲作品

本紙掲載日:2022-10-20
9面

「群鶏図」など60点−23日まで展示

 江戸時代に京都で活躍した画家・伊藤若冲(じゃくちゅう)の代表作「動植綵絵(さいえ)」などを日本を代表する伝統工芸の西陣美術織で織り出した作品の巡回展「西陣美術織伊藤若冲展」が、延岡市本小路のカルチャープラザのべおか2階アートギャラリーで始まった。入場無料。23日まで。時間は午前10時〜午後5時。最終日は午後4時まで。

 西陣美術織は、仏像や絵画、風景などを西陣織で表現した新しい工芸分野。日本人が着物離れしている現状から、高級帯として知られる西陣織の魅力を広め、伝統技術の継承と後継者の育成を目指す西陣美術織工房(京都市)が開拓してきた。

 展示しているのは、西陣美術織で再現した若冲の代表作「群鶏図(ぐんけいず)」や「老松白鳳図(ろうしょうはくほうず)」、「梅花群鶴図(ばいかぐんかくず)」といった花鳥画「動植綵絵」をはじめ、若冲が東福寺で感動して描いた「釈迦(しゃか)三尊像」などの掛け軸や額装約60点。

 作品は、2016年に若冲の生誕300年、翌17年に西陣織の呼称550年を記念して、同工房が制作した。髪の毛の半分ほどの細さの絹糸を縦2700本、横1万5000本使った作品を中心に展示している。西陣織でできた帯の緻密な織りの立体美をルーペで鑑賞することもできる。

 同工房の吉田秀高常務取締役は「西陣織の細かさで若冲の作品の緻密さを表現しているところを見てほしい」と呼び掛けている。

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