生徒、地域で盛り上がった２日間

文化祭と販売実習「桜マーケット」−延岡商業高

　延岡市桜ケ丘の県立延岡商業高校（堀切康博校長、３８８人）で１０月２９日に文化祭「桜華（おうか）祭」が、翌３０日に商品の仕入れや販売、イベントの企画、運営などを生徒が担う販売実習「桜マーケット」が行われた。今年は６年ぶりに、文化祭と販売実習を２日続けて開催するハードな日程となったが、生徒は限られた時間内で準備に奔走。文化祭では、学級ごとに準備の成果を披露し、桜マーケットは中学生対象の仕事体験や一般向け講座もあり、多くの人でにぎわった。

◆力合わせ合唱、劇を発表

　文化祭「桜華祭」では、オープニングイベントに続いて１年生の合唱が行われ、クラスごとに課題曲の校歌と自由曲１曲を歌い、息の合ったハーモニーを響かせた。

　３年生は漫才を盛り込んだり、手の込んだ衣装に身を包んで登場したりと、工夫を凝らした劇を披露した。このうち３年４組は「ロミジュリを救え！〜アーニャの大作戦〜」と題した劇を発表。独自の「ロミオとジュリエット」を手作りのアニメーションとナレーションで構成した動画で紹介したり、ステージから降りて会場の体育館を走り回る派手な演出をしたりして会場の笑いを誘った。

　また、吹奏楽部によるステージや、ダンスやバンド演奏などの個人発表もあり、それぞれ個性を発揮していた。

◆販売、仕事体験など盛況

　桜マーケットは、商業高で学んだ知識や技術を生かし、実践的、体験的な学習をする場として開いており６年目。県内の企業の協力を受けて、生徒が企画や販売、おもてなしを行っている。

　今年は、販売実習は２年生のみと規模を縮小したが、県内の短期大学、専門学校から招いた講師と１年生が行う中学生対象の仕事体験、生徒が運営する子ども向けイベント、同校教職員や保護者が講師を務めたヨガ教室、書道教室など、体験型イベントを充実させた。

　同モール社長の甲斐凜夏さん（１８）は「今年は飲食スペースを設けたこともあり、すぐに帰らず何度も来てくれるお客さんがいます。商品を置くのではなく、手で持ってアピールし、どんどん売ります」と話した。来場者は目当ての買い物を終えた後も校内を回り、さまざまなサービスを満喫した。

　３年生は駐車場の誘導や案内係、接客など来場者をもてなすことに徹した。９月から延岡市栄町で営業している流通経済科のチャレンジショップ「和（なごみ）」、経営情報科が開設中のオンラインショップ「桜咲（さくさく）モール」も出店してアピール。慣れた様子で接客し、最後の桜マーケットを楽しんだ。

　オープン前には、東海幼稚園の園児がダンスを披露するなど、「地域と共にある学校として意識しました」と同校。桜マーケット開始と同時に長い列ができ、３時間で１３００人以上が来場したという。