ディーン元気選手が直接指導

やり投げロンドン五輪代表−中高生ら約１２０人に

◆延岡市陸協主催の教室

　延岡市陸上競技協会の２０２２年度陸上競技教室は１９日、同市西階陸上競技場であり、１２年ロンドン五輪陸上やり投げ１０位のディーン・ロドリック・元気選手（ミズノトラッククラブ）が来県。市内の中学生や県北の高校生など約１２０人に直接指導した。

　陸上教室はスポーツを通して指導者と生徒の交流を深め、冬季練習に向けたトレーニングを通じた競技力向上を目的に毎年開いている。今年は新型コロナウイルス感染拡大予防のため、中学生は市内、高校生は県北に制限を設けて実施した。

　教室でディーン選手は、体幹や筋力を向上させるトレーニング方法を指導。器具を使わず自重で行う鍛錬法で、腕立て伏せの体勢から足を触ったり、「ゆりかご」というあおむけの状態から行う体幹トレーニングなどを紹介。雨の影響で２グループに分かれた参加者に対し、約２時間、細かくアドバイスを送っていた。

　ディーン選手は教室で「勉強などもあり、練習の時間は限られている。少しでも意味のあるものにするため、何となくじゃなく、意識してやること。食事や睡眠、練習以外も大事」と呼び掛け。質問コーナーでも五輪でのことや試合中に考えてることなどの質問に熱心に答えていた。

　全体で行った教室の後はやり投げが専門種目の参加者を集め、試合前のアップとやり投げに通じるトレーニング法を指導。最後はデモンストレーションで７０メートル付近まで投げ、参加者から歓声が上がった。

　参加者で今夏、女子やり投げでインターハイに出場した平野陽菜さん（延岡工高２年）は「憧れの選手が目の前にいるのが信じられない。この教室に参加できてよかった。きょう学んだことにしっかり取り組んで、来年の総体で結果を出したい」。平野蒼真さん（東海中３年）は「トップ選手に触れてやる気が出た。高校でもやり投げを続けようと思ういい機会をもらえた」と話した。

　ディーン選手は「元気で素直な子が多かった。スポーツを通じて出合いもあれば、つらいこともある。そういう思い出を大事に、経験をしながら育っていくきっかけになればいい」と参加した子どもたちにエールを送っていた。

　門川高校野球部の冨永圭太監督がディーン選手と早稲田大学時代の同級生だったことがきっかけ。同協会の徳永邦弘強化部部長（門川高校陸上部顧問）が要望したところ、ディーン選手が快く快諾してくれたという。