ニット着たかわいい人形

交通安全のお守り、結婚祝いに人気

◆石橋さん（日向市不動寺）制作間もなく１万個

　色とりどりのニットを着たキューピー人形たち。交通安全のお守りに、結婚のお祝いに…と人気だ。作っているのは日向市不動寺で喫茶店「彩（あや）」を営む石橋則子さん（７３）。これまでに９８５４個、間もなく１万個に達する。

　いつから作り始めたかははっきりしないが「自分の車にアクセントを付けようとして作ったのが最初」と言い、個数を記録するノートには、１９８８年に累計２３００個とある。

　交通安全のお守りにしたのは、キューピーには毛がない（けががない）から。「道を渡る時は手を上げて、左右をよく見てほしい」と、人形は腕を上下に動かせるタイプを仕入れ、カラーワイヤで作った眼鏡を掛けさせている。
２人セットでともに帽子をかぶり、女の子は、漫画のキャラクター「アラレちゃん」風のお下げ髪、男の子は肩からポシェットを下げた姿が定番。

　客からのリクエストで作り始めた新郎新婦は、新郎がタキシード、ボタン２個、フェルトのちょうネクタイ。花嫁は白いドレス、ネックレス、イヤリングまで着けている。

　交通安全のお守りは身長５センチ。自分のつえ、スマホ、バッグなどの目印になるようにと作っている物は３・５センチとさらに小さいが、しっかりと帽子をかぶり、ズボンは肩ひも付き。眼鏡も掛けている。

　とにかく細やか。極細の毛糸を、レース用のかぎ針で編んでいるそうだ。

　「最近では黒の編み目が見えにくくなり、日が差す所でしか編めません」と、年齢を重ねたことによる悩みも出てきたが「かわいいから続けてこられたと思う。自分でも、出来上がるたびにかわいいと思うもの」と目を細める。

　１０月３１日付で９８５４個。まだまだ作るつもりだが、間もなく来年の干支（えと）、うさぎの木目込み人形作りに取り掛かるため減速するという。木目込み人形作り歴は３７年。同じ頃から始めた、毛糸をほぐして作る犬も人気だ。

　石橋さんのキューピー作品は１個４００〜１５００円。通常は店内だけで販売している。

　問い合わせは喫茶「彩」（電話日向５３・２４８０）まで。