多彩な演目で盛り上がる

本紙掲載日：2022-12-13

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チンドン屋、歌、盆踊りなど－高千穂町河内

　高千穂町田原の地域おこしに取り組む田原未来プロジェクト（興梠重徳代表）は１１月６日、河内地区の馬場品評会場で「チンドン屋劇場」を開催した。都城市を拠点に活動するチンドン屋「宮崎花ふぶき一座」（宮田わかな座長）ら出演者が歌や演奏を披露。出店も並び、大勢の家族連れなどでにぎわった。

　チンドン屋は、楽器を打ち鳴らしながら〃粋〃な装いで街を練り歩き、商品や店舗などを宣伝して回る職業のこと。江戸時代後期の飴（あめ）売りが起源とされており、現在は郷土芸能としても親しまれている。

　田原未来プロジェクトは国の登録有形文化財（２０１４年指定）である旧田原村役場を活用した地域振興を目的に、１７年設立。馬車引きや猿回し、謎解きなど、毎年イベントを開いており、今回は同地区でイベント経験があった宮田さんからの要望で実現した。

　この日は、地元有志グループが長年練習しているというオカリナの演奏で開演。童謡「ふるさと」など懐かしいメロディーを響かせ、町内在住のシンガー・ソングライター平井邦幸さん（岩手県出身）が高千穂の原風景をモチーフに制作した歌を熱唱した。

　続けて、青い法被を着た地元住民らを引き連れて宮田さんが入場。チンドン太鼓を打ち鳴らし、会場入り口からステージまで行進した後、同地区に伝わる盆踊り「河内音頭」を全員で披露した。

　メインの演目では「美空ひばりメドレー」の歌唱やバルーンアート、都城市在住のパフォーマーモモさん（沖縄県出身）によるファイヤーパフォーマンスとのコラボレーションもあり、手拍子や歓声で盛り上がった。

　友人３人と訪れた戸髙ミヨ子さん（７４）＝日之影町七折＝は「コロナ禍でこのようなイベントは久しぶり。本当に素晴らしい演目ばかりでした」と声を弾ませ、活気あふれるステージに元気をもらった様子。

　興梠代表（６９）は「文化財を守ることも大切だが、もともと田原河内は祭り好きの地区。『何かをする』となった時、こうして人が集まって力強く動けることが一番の財産」と目を細めた。