メモリアルに王座奪還を－旭化成陸上部（上）

本紙掲載日：2022-12-28

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「全員が出し切る走りを」西村監督

◆屋台骨支える鎧坂、大六野

　ニューイヤー（ＮＹ）駅伝ｉｎぐんま「第６７回全日本実業団対抗駅伝競走大会」は、来年１月１日に開催される。今年創業１００年、２１年に陸上部の創部７５年のメモリアルを迎えた旭化成（本拠地・延岡市）は、４連覇を果たした６４回大会以来、３年ぶりの王座奪還を期す。チームの現況と、選手たちの抱負を２回に分けて紹介する。

　２５回目の優勝を４連覇を果たして以降、６５回大会は富士通、６６回大会はＨｏｎｄａが優勝し、旭化成はいずれも３位。今大会の予選会となる、九州毎日駅伝（１１月３日）ではまさかの５位に沈んだ。

　１２月２１日のインタビューで西村功監督は、チームの現況を率直に語った。

　「先日、（工藤幸四郎）社長からも『優勝を』と直接激励いただいたのですが。エースの穴は大きく、主力はマラソンのダメージが残る。その中で全員がミスなく出し切る走りをすること。精いっぱいにベストを出し切って、その結果、優勝や入賞として表現できれば」

　今回は、前回３区区間新、日本陸上界のエースともいえる相澤がアキレス腱の故障で欠場する。長く屋台骨を支える鎧坂、大六野はそれぞれ１０、１１月に海外マラソンに挑戦。取材時は、蓄積した疲労を抜きながら、どこまで状態が上がるかという状況だと説明した。

　出走すれば１０年連続となる鎧坂は「劇的に状態が上がるということは考えられないが、少しでもいい状態に持っていく。力を出し切り、一つでも上の順位でつなぐこと」。

　大六野は「自分でもどれぐらい走れるかという不安はあるが、めどが立てば、どこ（区間）でも行く覚悟はある。優勝を目指し、流れをつなぐ走りをするだけ」。

　ともに４連覇中に栄光のフィニッシュテープを切るなど駅伝でも実績十分。マラソン練習を積み、持ち前のスピードにスタミナを蓄えた。状態は万全でなくても、柱としてチームを支える走りはしてくれるはずだ。

◇５回目の１区想定－茂木

　過去４大会で、１区に出走し流れをつくってきたのは茂木。９月から１カ月ほど、両足のアキレス腱痛で休養したが、「今は予定通りに仕上がってきている」と心強い。

　今回も１区を想定し「どこかで仕掛けるのか、周りを見て付いていくのか。イメージ、準備はできている。８、９割の状態で本番を迎えられれば」と語った。