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本紙掲載日:2023-01-31
7面

西小5年生が盲導犬学習

 延岡市立西小学校(尾崎正朗校長、335人)の5年生42人は27日、盲導犬について、ユーザーの後藤文一さん(73)=同市差木野町在住=から、じかに学んだ。

 後藤さんは九州盲導犬協会の啓発ボランティアを務めており、「目の不自由な人の気持ちを少しでも分かってもらいたい」と、3年前から、主に小学3年生以上を対象に啓発活動をしている。盲導犬の玉露(ぎょくろ)=ラブラドルレトリバーの雄=、同ボランティアの福田誠さん、啓蒙(けいもう)活動協力員の松原広美さんと共に来校した。

 前半は、盲導犬1頭を育てるのに500万円の経費がかかり、県が200万円を助成、協会は300万円を負担するために寄付金を募っていること、どのように訓練をするか、人間では60歳に相当する10歳で引退することなどを後藤さんが説明した。

 休憩を挟んで後半に「触れ合いコーナー」が予定されていたが、待ちきれない子どもたちは、休憩に入るやいなや玉露の周りに群がった。

 「盲導犬がハーネスを付けている時は、仕事中なので触ってはいけない」「『触っていいですか』とユーザーに尋ねて、許可をもらってから触る」などの基本的なことは、パンフレットで事前学習しており、その通りに実践。

 「盲導犬を使おうと思ったきっかけは何ですか」「盲導犬が来る前と後で違ったことは何ですか」と興味津々に次々と質問する子どもたちに、後藤さんは「盲導犬の体験会に参加したことがきっかけ」「外出する時は、ガイドヘルパーさんにお願いしないといけないが、人数が少ないので、日程が合わない時もある。玉露君は、おじさん(後藤さん)の目の代わりになって動いてくれる」と丁寧に答えた。

 また、「盲導犬は毛が飛び散らないようにマナーコートを着せる、排せつ物の処理の仕方、入店拒否されないことなどが法律で決まっているが、『犬連れは駄目です』と言われることがある。盲導犬の入店拒否をしたら駄目など、勉強したことを家に帰って家族に伝えて」と呼び掛けた。

 後半では、目を閉じて、白杖(はくじょう)をつきながら歩く体験もあった。

 柴田佐和子さん(11)は「白杖を使ったり、盲導犬と触れ合ったり、なかなかできない体験ができて良かった。目が見えないことの大変さが分かったので、見掛けたら、手伝えることがないか尋ねたい」、熊野希美さん(11)は「目をつぶって歩くのは怖かった。盲導犬は、仕事中はしっかりしているけど、ハーネスを外したら愛嬌(あいきょう)があってかわいかった。手をいっぱいなめられました」と話していた。

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