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もっと豊かな延岡へさらなる飛躍目指す

本紙掲載日:2023-02-09
9面

延岡市制施行90周年特集

◆DX、脱炭素、歴史文化など−地域活性化市民生活向上−多様な取り組み進める


◇ニュータウン脱炭素再生戦略

 今年度、環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれ、2023年度から延岡市北一ケ岡と南一ケ岡で、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けた事業に取り組む。

 先行地域に選ばれた地方公共団体には、国から5年間で最大50億円が交付され、太陽光発電など再生可能エネルギーの設備などに活用できる。延岡市への交付額は今後決定する。

 市が国に提案した計画は、「高度成長期を支えた住宅地のカーボンニュートラルによる再生と強靱(きょうじん)化モデル〜ニュータウン脱炭素再生戦略〜」。住宅などに自家消費型の太陽光発電や蓄電池、ソーラーカーポート、EV充電器を導入。年間の消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にするZEH(ゼロエネルギーハウス)化などを推進する。計画期間は27年度までの5カ年。

 住宅や施設などの太陽光パネルで発電した電力を消費、蓄電するなど脱炭素化を目指すことで、地産地消エネルギーシステムを構築。災害に強いまちづくりや、市内外からの移住・起業による生産年齢人口の増加などにつなげることを目指す。


◇古民家風カフェの整備

 県内で初めて公募設置管理制度(Park―PFI)を活用し、古民家風カフェを城山公園の一角に整備する。「コメダ珈琲(コーヒー)」のフランチャイズ加盟店として、6月に営業を開始する予定。

 延岡市東本小路にあった近代和風建築「後藤邸」の部材を建物に使用。歴史文化ゾーンにふさわしいデザインとなる。

 同制度は、都市公園で飲食店や売店などの収益施設を設置、管理する民間事業者を公募で選ぶ手続き。民間事業者が収益施設と公共部分の施設を一体的に整備する。福岡県の勝山公園(北九州市)や大濠公園(福岡市)など各地で活用されている。

 設置者にとっては収益施設の設置管理許可が20年間保証されるなど、長期的視野での投資や経営が可能に。公園を管理する自治体にとっては財政負担の軽減につながり、公園利用者にとっても利便性の向上が期待される。


◇野口遵記念館

 延岡城跡を中心とした「歴史文化ゾーン」を象徴する施設。昨年12月18日に開館した。市民に長年親しまれてきた野口記念館を継承し、音楽を中心としたホールとして、まちなかのにぎわい創出につながる新たな文化芸術の拠点としての役割を担う。

 ホールの客席数は675席。コンサートや演劇、舞台、講演会などさまざまな活動に利用できる。

 1階には野口遵顕彰ギャラリーを設け、人物像の紹介や延岡で事業展開するに至った由来、延岡が工業都市として発展していく黎明(れいめい)期の様子などを伝える。

 総事業費は約51億円(見込み)。建設事業には旭化成から30億円が寄付された。


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