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保護者らの前で8番披露

本紙掲載日:2023-03-11
7面
高千穂神社の神楽殿で行われた「高千穂の夜神楽子ども伝承者の集い」
あいさつする後藤宮司

高千穂の夜神楽子ども伝承者の集い

◆伝統文化の継承目的初の奉納公演

 高千穂の夜神楽伝承協議会(会長・後藤俊彦高千穂神社宮司)が結成した「高千穂の夜神楽子ども伝承者の集い」による奉納公演が2月11日、高千穂町三田井の高千穂神社神楽殿であった。同町各地区の神楽保存会に所属する児童、生徒ら約70人が出演、保護者や地域住民を前に荘厳な舞を披露した。

 伝統芸能を後世に伝え、歴史と文化の側面から地域活性化を図る狙い。少子高齢化や過疎化で地域内におけるつながりが衰退しつつあることから、建国記念日(2月11日)を「高千穂の子ども神楽紀元元年」と位置付けて初めて開催した。

 上野、立宿、野方野、五ケ村、下野、秋元地区と高千穂高校の神楽保存会の子どもたちが、奉仕者(ほしゃ)と呼ばれる舞い手と奏楽を担当。土地をはらい固め、神を鎮める「鎮守(ちんじゅ)」、水神を祭る火伏せの舞「沖逢(おきへ)」、太刀の神威で厄難を払う「太刀神添(たちかんぜ)」など計8番を舞った。

 来場者は懸命に立ち回る若き奉仕者を温かく見守り、それぞれの舞が山場に差し掛かると拍手で鼓舞。鑑賞した後藤弘子さん(76)=同町三田井=は「日頃の頑張りがうかがえて、本当に素晴らしい舞でした」とたたえた。

 この日はまた、本殿で建国記念の奉祝式典があり、関係者ら約30人が参列。後藤宮司(77)が祝詞を奏上し、三田井神楽保存会が国造りの舞「地固め」を奉納した後、順番に玉串をささげるなどして記念日を祝った。

 後藤宮司は「子どもたちが郷土に誇りを持ち、希望を持って生きられる社会こそが最も大切な国造りの原動力だと思う。コロナ禍で厳しい状況は続くが、今年こそ、地域再興に励む明るい年になるよう願う」と話した。

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