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思う存分砂にまみれて

本紙掲載日:2023-05-25
7面
力を合わせ、砂の造形を楽しむ参加者(21日、日向市の伊勢ケ浜)

4年ぶり砂の造形大会−日向・伊勢ケ浜

 力を合わせて砂の造形を作る「第33回砂の造形大会」は21日、日向市の伊勢ケ浜海水浴場であった。爽やかな青空の下、参加した245人(家族15組、団体14組)は子どもから大人まで思う存分砂にまみれて楽しんだ。日向かぼちゃ会(中村芳樹会長)主催。新型コロナの影響で4年ぶりに実施した。

 大会は同市の豊かな自然を舞台にした、いわば砂遊び。作品の完成度はもちろん、みんなで笑顔で楽しむことを何よりも大切にしており、競技中にけんかしたり怒ったりしていると減点となる。

 審査員はともに彫刻家の奥村羊一さん(69)=宮崎市=と田中等さん(73)=高鍋町=。2人とも第1回大会から務めている。

 この日は午前9時30分に競技開始。参加者はスコップなどを使って砂を盛ったり掘ったりしながら、海水で締め固めつつ、こてなどで形を整えて「ドラえもん」などのキャラクターや、クジラなどの海の生物を思い思いに仕上げていった。

 夫、子ども2人と初めて家族で参加した日向市富高の鈴木里美さん(43)は、息子の孔琉(くりゅう)さん(10)=富高小5年=の発案で、日本に生息すると言い伝えられている未確認動物の一つ、ツチノコを作ることに。

 持参したツチノコの縫いぐるみキーホルダーを見本に取り掛かったが、ふと気付くと子どもたちは海水をためた穴に座り込み、水遊びに大はしゃぎ。「完成にたどり着けるのか、あやしくなってきましたが、とにかく子どもたちに楽しんでもらえたら」と苦笑いしていた。

 審査員の奥村さんは「一生懸命に作ろうとする親がいて、その横で壊そうとする子どもがいる。造形も子育ても、作って壊すところから始まります。ここは、その最高の場です」と目を細めた。

 審査の結果、家族の部優勝は「アローラナッシー」(金子百合子)、団体の部優勝は「けさがため」(直心館奈須道場)に決まった。

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